コスパ最強兵器=「安すぎるドローン」はここまで進んでいた! 脅威の「コレでよし」な世界とは?

日進月歩で進化する無人機ですが、高度化するのではなく、“いかに安価に作るか”も戦局を左右する重要な思想になりつつあります。「安すぎるドローン」の世界も驚くべき発展を遂げていました。

海でも「安さ」重視の無人装備

 アディティブマニファクチャリングはUASだけではなく、USV(無人水上艇)の製造でも活用が始まっています。

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「MADEX2025」に展示されたLIGNex1による自爆突入型USVの試作機(竹内 修撮影)

 韓国海兵隊は2025年5月28日から31日に釜山で開催された海洋防衛装備展示会「MADEX2025」に、韓国の総合防衛企業LIGNex1が開発した自爆突入型USVの試作品を出展していましたが、このUSVもアディティブマニファクチャリングで製造されています。

 展示されたUSVには2.75インチ誘導ロケット弾の発射装置や、光学赤外線/センサーが装備されていました。敵艦や敵基地に突っ込んで自爆するだけの、1回こっきりの使い捨て兵器と言うわけでもなさそうですが、LIGNex1の担当者は、「自爆突入型UASやUASのような防衛装備品は、短期間にできる限りコストを抑えて大量生産できるのかが、成否を左右する。このためアディティブマニファクチャリングという手法を選んだ」と話していました。

 この自爆突入型UASは、筆者(竹内 修:軍事ジャーナリスト)が過去に見たことのあるUASとは異なる質感で、おそらくレーダーでの探知を困難にする電波吸収素材が使用されているのではないかと思いました。当然のことながら素材が何なのかは教えてくれませんでしたが、「電波吸収素材のような新しい素材を使用する製造が、従来の製法に比べて容易に行えることも、アディティブマニファクチャリングの利点の一つです」と述べていました。

 3Dプリンターを使用するアディティブマニファクチャリングで防衛装備品を作ることを前面に押し出している日本企業を筆者は知らないのですが、異なる手法で安価に防衛装備品を作ろうとしている日本企業は存在します。

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