年間2000万人空港「送迎車で大混雑問題」緩和なるか? 那覇空港の「高架道路」延伸でどう変わる まだまだ続く“機能強化”
沖縄本島の空の玄関口である那覇空港で、ターミナル前の高架道路が延伸されました。年間2000万人を超える利用客による空港での“送り迎え”の混雑緩和が期待されていますが、抜本的な問題解決にはまだまだ時間がかかりそうです。
駐車場を増やしてもまだ“足りない?”
もちろん、空港管理会社も手をこまねいているわけではなく、P2の南側に、1階がバスプール、2階から4階および屋上が一般駐車場となる「新立体駐車場」を建設し、収容台数を約1200台増やす計画が進められています。

この新駐車場が完成すれば、送迎にかかわる混雑はいったん解決するかに思えます。しかし、この新駐車場の建設は2027年2月末までを工期とする第1期ののち、P2を解体し、新たな駐車場ビルを建設する第2期工事も予定されています。そのため、最終的に増設分の駐車台数が100%有効活用されるのは、第2期工事が終わる5~6年先となりそうです。
那覇空港では、空港ターミナル付近の交通混雑だけではなく、空港から南東方面に進んだところにある「安次嶺」交差点や「赤嶺」交差点での各方向の渋滞も深刻で、豊見城市方面にあるレンタカー営業所までのわずか7kmほどの移動に30分以上かかることも珍しくありません。
この渋滞の対策として現在、那覇空港道の起点である名嘉地IC(工事にともない現在閉鎖中)から、高架とトンネルで那覇空港までを直結する「小禄道路」の建設が進められています。こちらは2024年3月末時点で予算ベースの事業進捗率が約81% というところまできています。
那覇空港のターミナル前の道路や駐車場の混雑、周辺道路の渋滞など、クルマでのアクセスにかかわる課題が完全に解決するのは、この小禄道路の完成後になるのかもしれません。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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