山形新幹線「直通中止」当面継続へ 本数8割 新型「E8系」故障の根本原因「特定できず」
JR東日本は2025年6月25日、山形新幹線の車両故障を受けた線内(福島-山形・新庄)折返しによる運行体制を当面のあいだ継続すると発表しました。
新型「E8系」はなぜ故障した?
JR東日本は2025年6月25日、山形新幹線の車両故障を受けた線内(福島-山形・新庄)折返しによる運行体制を当面のあいだ継続すると発表しました。

今回の事案は6月17日11時24分頃、東北新幹線 宇都宮~那須塩原間を走行中の回送列車で故障が発生したのを皮切りに、同日中に合計4編成の車両故障が相次ぎました。その全てが新型車両である「E8系」によるものです。
これを受けて、JR東日本は安全確保のため、新幹線区間と在来線区間でのE8系の単独運転をすべて取りやめています。その影響で山形新幹線は一部の直通列車を除き、福島駅で山形・新庄駅方面への折返し運転を実施。山形新幹線の列車本数は通常の8割程度となっています。福島駅での乗り換えや車内の混雑など、利用者には大きな影響が出ています。
JR東日本とメーカーが故障した4編成の補助電源装置について外観調査と分解調査を実施した結果、故障が発生した6台の補助電源装置内部で、同じ部位の半導体素子に損傷が確認されたといいます。
補助電源装置が故障すると、主変換装置への電力供給が断たれます。結果、主変換装置内の冷却装置が動作せず、回路保護動作が働いて車両を動かすモーターが駆動できなくなり、走行不能に至りました。
しかし、半導体素子が損傷した根本的な原因については現在も特定できていないといいます。JR東日本では気温などの環境的要素を含め、あらゆる観点から原因究明を続けています。
JR東日本は、この故障の原因が判明するまで、折返し運転の形態を継続するとしており、完全復旧の見通しは立っていません。
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