中国旅客機の“ばく進”止まらず!? 「ヒット機あるあるな展開」に踏み切った…その「最新事情」を祭典で見た
中国発の旅客機「C919」が近年新たな動きを見せ始めています。多くヒット機で“お約束”的となっていた派生型が出現する見込みなのです。その最新状況を取材しました。
欧米的手法の派生型、実際売れてるの?
一般に航空会社は、同一機種で胴体の長さを変えた派生型を路線需要に応じて飛ばします。機体メーカーは実機が登場していなければ、模型で派生型を見せて航空会社へアピールします。
COMACも派生型の実現にともないこの手法を取り入れて、パリ航空ショーでも標準型と短胴型、胴体延長型の模型を展示し、C919のファミリー化をアピールしました。なお、派生型の模型は2024年7月のイギリス・ファンボロー航空ショーでも展示されています。
短胴型はチベット航空からの受注は既に明らかになっていますが、パリ航空ショーでCOMACのブースにいた社員は、短胴型と胴体延長型を合わせた現在の発注数は「不明」として明らかにしませんでした。
しかし、短胴型は2028年に、胴体延長型は2030年にそれぞれ商業運航に入る予定であることから、CONACがさらに海外展開を進めるのは明らかです。
Writer: 相良静造(航空ジャーナリスト)
さがら せいぞう。航空月刊誌を中心に、軍民を問わず航空関係の執筆を続ける。著書に、航空自衛隊の戦闘機選定の歴史を追った「F-Xの真実」(秀和システム)がある。
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