「神社のご神木が車内に鎮座」どういうこと!? 予約率9割超え、でも“座席は売らない”人気列車
登場から1年強がたったJR九州の観光列車「かんぱち・いちろく」は、予約が取りにくい人気列車です。乗車は旅行商品になっており、手軽に乗れるようになるとの甘い期待を抱いてはいけないようです。
“パワースポット”ってそれ!? 意外すぎる転生
客席は1、3号車に計60あり、全てグリーン席。1号車の内装は大分・別府エリアの風土をモチーフにし、火山や温泉を想起させる赤色が基調です。2―3人用のソファー席と、3―6人に対応したボックス席が並び、テーブルには大分県産の杉を用いています。

一方、3号車は福岡・久留米エリアの風土がモチーフで、沿線の雄大な平野や山々を思い起こさせる緑色で彩っています。1―4人用のボックス席が連なり、テーブルは福岡県産の杉で作られました。1、3号車とも乗務員室の後ろには、靴を脱いで利用できる4―6人用の畳敷きの個室があります。
各テーブルの壁面には沿線を題材にした芸術作品が飾られ、1号車の壁の一角には旧豊後森機関庫(大分県玖珠町)の周囲にキリンやゾウなどが集まった絵を掲げていました。車内には沿線地域の伝統工芸品もあしらっており、洗面台は福岡県の小石原焼でできていました。
そして、列車の最大の目玉が、「ラウンジ杉」と名付けられた2号車のバーカウンターです。
これには、樹齢約250年に達する杉の一枚板が使われています。全長約8mのカウンターに刻まれた年輪は重みがあり、案内してくれたJR九州鉄道事業本部営業部営業課の伊藤大貴さんが「これは神社のご神木でした」と打ち明けました。
「熊本県南小国町の神社にあるご神木が倒壊の危険性があるとの情報が入り、ここで使わせていただくことになった」とのことです。車両を改造した小倉工場(北九州市)に持ち込み、車内に運び込む際には「杉は軟らかい素材なので重機が使えず、20人程度が細心の注意を払って手で担いで運び込んだ」そうです。
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