【空から撮った鉄道】配線「X」→「И」へ 大都会のローカル線にかつての名残を探す 都市高速脇には秘境駅も
南海高野線の列車は難波駅発着ですが、線路の起点は西寄りにある汐見橋駅です。汐見橋~岸里玉出間は由緒正しい区間ながら汐見橋線と別名称であり、まさしく「都会のローカル線」の様相。車両が更新された直後を空撮しました。
この記事の目次
・現存する民営鉄道で最古の南海電鉄
・高野線が汐見橋線になるまで
・なんばにも近い汐見橋駅はどんなところ?
・「都会の秘境駅」 空から見ても納得
・配線「X」→「И」へ 岸里玉出駅の変貌
【画像枚数】全18点
現存する民営鉄道で最古の南海電鉄
南海電気鉄道(南海)は、大阪市内と和歌山方面を結ぶ大手民鉄で、この社名となったのは1947(昭和22)年のこと。前身は、南海鉄道と高野鉄道の2社でした。
南海の始まりは1885(明治18)年に開業した阪堺鉄道の難波~大和川間です。これは「汽笛一声」の1872(明治5)年からわずか13年後のことでした。同社は1895(明治28)年に南海鉄道へと社名変更し、以後、難波~和歌山市間の南海線(現・南海本線)を軸に、小私鉄を合併して路線網を広げていきます。

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Writer: 吉永陽一(写真作家)
1977年、東京都生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業後、建築模型製作会社スタッフを経て空撮会社へ。フリーランスとして空撮のキャリアを積む。10数年前から長年の憧れであった鉄道空撮に取り組み、2011年の初個展「空鉄(そらてつ)」を皮切りに、個展や書籍などで数々の空撮鉄道写真を発表。「空鉄」で注目を集め、鉄道空撮はライフワークとしている。空撮はもとより旅や鉄道などの紀行取材も行い、陸空で活躍。日本写真家協会(JPS)正会員、日本鉄道写真作家協会(JRPS)会員。