トランプ関税の交渉カード「造船協力」そんな余裕はありません!? 日本の造船「絶好調に見えるだけ」の現在地

日本の造船業は4年連続で受注量1100万総トン超を記録し、一時期の危機的状況から息を吹き返しました。しかし、世界の需要の多くは中国・韓国が握り、相対的に米国は壊滅的で日韓に支援を求めています。日本はどう応えるのでしょうか。

日本も協力に応じるのか? 「まずは…」

 日本では、石破首相が5月に京都府舞鶴市のジャパンマリンユナイテッド(JMU)の事業所を訪問した際、「砕氷船では日本の技術にかなり優位性がある。日米の協力に当たっては、北極航路も含めて砕氷船が一つのポイントになってくると思う」といった見解を示していました。

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JMU舞鶴事業所で2021年に建造された「SAKIZAYA VICTORY」。これを最後に同造船所は新造船建造から撤退(画像:JMU)。

 ただ、宮武氏は「日米で造船協力はあるかもしれないが、まず日本の造船業の再生・復興が一番重要だという話は多くの方から伺っている」と話します。

 田中会長も「最近、日米の関税交渉で造船が話に上がるようになってきて、追い風のように思っている。ただ、我々の建造設備がだいぶくたびれているところがある。さらに人材確保の問題は中小型の主だった造船所が一致しており、関連する各団体と今後さまざまな意味で協調ができないか模索していきたい」と述べ、まずは日本の中小造船業が将来にわたって生き残っていくために、設計の協業や共同調達といった取り組みを検討するとしています。

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