「ならば“地下化”しましょう」 都市ならでは“よその敷地をくぐるトンネル”たち 学校の下がスゴイことに!?
東京23区内には平坦な地形でも道路をトンネル化している場所がいくつかあります。トンネル上部を別用途に活用して、課題を解決したのです。
上に何かがある「わざわざトンネル」 下にも何かが!?
東京23区は、ところどころに川が武蔵野台地を刻んだ谷による起伏を持ちつつも、基本的にはおおむね平坦な地形です。こうした平坦な地形では、道路予定地にある丘陵地は開削して「切り通し」として道路を通すのが一般的です。しかし23区内には、わずかな丘陵地でも”あえて”トンネルとしたり、また丘陵そのものがなくても道路が地下に潜る形でトンネルを建設したりしている場所がいくつもあります。

これらは、道路用地を提供する住民や地域との協議の結果、通常ならそのまま、もしくは切り通しとして道路を通すような地形でも、あえてトンネルとし、道路上の土地(もしくは人工地盤)を別の用途に使えるようにしているところがあるのです。そもそも地価が非常に高い東京では、土地を提供する地権者に代替地を用意するのも多額の費用がかかるうえ、そのような土地を確保することが現実的でないケースもあります。
以下、そのように「わざわざトンネルにした道路」の代表例を見ていきましょう。
墓地の下を通る「千駄ヶ谷トンネル」
国立競技場の南西、外苑西通りの「仙寿院」交差点から西に進むと、すぐに40mほどの「千駄ヶ谷トンネル」が現れます。
このトンネルの前後は切り通し地形ですが、トンネル部分の上には交差点名の由来にもなっている「仙寿院」の墓地があります。建設にあたっては、墓地部分もいったんは開削され、道路を建設したのちに再び墓地として整備されています。
大学の要望で実現した「青山トンネル」
渋谷駅から東に進む六本木通り(都道412号)は、八幡通りと交差する「渋谷2丁目」交差点の先で併走する首都高3号渋谷線とともに「青山トンネル」に吸い込まれます。トンネルの直上は、青山学院のテニスコートとなっています。
この青山トンネル部分の土地はそもそも青山学院の所有で、六本木通りおよび首都高建設の際に首都高を高架とする計画があったものが、青山学院の要望で、最終的に敷地の下をトンネルで通過する形で整備されました。建設が行われた1960年代の空中写真を見ると、青山学院の土地の形を残しつつ六本木通り、首都高の建設が進んだことが確認できます。
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