「ならば“地下化”しましょう」 都市ならでは“よその敷地をくぐるトンネル”たち 学校の下がスゴイことに!?

東京23区内には平坦な地形でも道路をトンネル化している場所がいくつかあります。トンネル上部を別用途に活用して、課題を解決したのです。

学校の下にダブルトンネル!?「向原・小竹トンネル」

 池袋駅から西に向かう要町通り(都道441号)は、「要町三丁目」交差点で千川通り(都道420号)と平面交差したのち、アンダーパスに入るような形で下り坂を進んで連続するトンネルへ入ります。このトンネルが「向原トンネル」「小竹トンネル」です。

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向原トンネルは板橋区立向原小学校をくぐる(乗りものニュース編集部撮影)

 向原トンネルの直上は板橋区立向原小学校のグラウンドなど、小竹トンネルの直上は練馬区立小竹小学校の体育館やグラウンドなどとなっています。

 さらに、要町通りの下には地下鉄有楽町線・副都心線が通っており、小竹小学校・小竹トンネルの真下には小竹向原駅があります。

 なお、現在事業が進む環七通り以西の都道441号が全通すると、この区間の交通量は飛躍的に増大することが見込まれます。

最近開通した、中学校の下を通る「桜木トンネル」

 世田谷区桜新町二丁目から杉並区阿佐谷北五丁目までを計画路線とする補助第128号線は、低層の住宅街を貫くように整備が進んでいます。このうち2021年に交通開放された世田谷区世田谷二丁目から桜一丁目までの区間には区立桜木中学校があり、補助第128号線はその直下を延長120mほどの「桜木トンネル」で通過します。

トンネルなしで「学校分割」に反発も

 他方、トンネルではない案が示され、物議をかもすケースも。現在練馬区内で整備が検討されている補助第135号線と補助第232号線は、その交差する部分のある区立大泉第二中学校の敷地が三分割されることから、教育環境の悪化などを理由とした反対の声が上がっています。

 これまでの検討では、全面移転案や人工地盤を一部活用した現位置での再建案も比較検討されましたが、分断される校地を再形成する案が最も実現性が高く、校舎にもゆとりが持てると結論づけられています。

 また、そこから直線距離で約1kmの同じ練馬区内で整備中の放射7号線(目白通りの延伸部)では、計画路線上にある墓地の移転について寺との合意が進まず、工事開始から20年近く経っても開通できないままでいます。

【上から見るとスゴイ…】これが東京の「わざわざトンネル」たちです(写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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