連結部分なんか変!! 江ノ電が “独特すぎる” 列車を使い続けるワケ JRや大手私鉄に波及しないのナゼ?
神奈川県を走る「江ノ電」の列車は、JRをはじめとした他社線ではほぼ見られない構造を採用しています。調べてみるとメリットが幾つもあるようですが、なぜなのでしょうか。デメリットとともに解説します。
江ノ電が「連接車」を使い続けるワケ
通常の鉄道車両は、1両につき2つの台車を持つ構造となっていますが、神奈川県の藤沢駅と鎌倉駅を結ぶ江ノ電(江ノ島電鉄)では、車両同士を連結する部分に台車を設けた「連接車」と呼ばれる列車を用いています。どうして、このような構造を採用したのでしょうか。

連接車の1番のメリットには、カーブにおける走行性能と乗り心地の良さが挙げられます。台車が2つある通常の鉄道車両では、カーブを通過する際に台車より外側に車端部がはみ出してしまうのに対し、連接車の場合、台車の回転軸は車両の連結部分となるため、急カーブでもはみ出しを最小限に抑えることができます。
江ノ電の場合、江ノ島駅と腰越駅の間にある龍口寺前交差点に半径28mという、日本の普通鉄道で最も急なカーブが存在します。江ノ電は、ここをクリアするために短い車体+連接車という独特な構造を採用しているのです。
2編成を連結して走っている様子を見ると、連接構造の中間連結部では車体が外側にはみ出さないのに対し、通常の構造となっている編成同士の連結部では、車両の前面(妻面)が3分の1ほど見えるくらい外側に大きくはみ出すのが分かります。
また、カーブを通過する際には遠心力が加わり、台車の位置から外側の車端部では車体をねじるような揺れが生じるのですが、連接車は台車が車端部にあるので揺れが抑えられ、乗り心地が良くなります。こうしたメリットがあるため、かつて小田急「ロマンスカー」(3000形SE/SSE・3100形NSE・7000形LSE・10000形HiSE・50000形VSE)は伝統的に連接車の構造を採用していました。
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