東京メトロ日比谷線、共通化で安全性向上へ 新型車両13000系登場
東京メトロが日比谷線用の新型車両13000系を公開。これによって快適性や利便性の向上、そしてホームドアの設置推進が実現する見込みです。
ドア配置の共通化でホームドア設置へ
東京メトロが2016年8月31日(水)、日比谷線用の新型車両13000系を報道陣へ公開しました。日比谷線は北千住駅(東京都足立区)と中目黒駅(同・目黒区)を結ぶ20.3kmの路線で、「東京オリンピック」が開催された1964(昭和39)年までに全線が開業。北千住駅から東武線の南栗橋駅(埼玉県久喜市)まで直通運転を行っています。
このたび登場した新型車両の13000系、その大きな特徴は「共通化」です。現在、日比谷線を走っている車両は1両あたり片側3か所であったり5か所であったり、乗降用ドアの配置が車両によって異なりますが、新型車両は、それがすべて1両あたり片側4か所になります。
そしてこれにより、日比谷線へホームドアを導入するにあたっての大きな課題が解消され、2020年度から2022年度にかけて、現在はそれが未設置である同線の全駅へ、ホームドアが導入されていく予定です。
転落を防止するなど安全性を高めるホームドアですが、列車によって乗降用ドアの位置が異なると、それにホームドアの開口部をあわせるのが難しいという課題があります。「ドア配置の共通化」で、それが解消されるわけです。
東京メトロは、こうした車両やホーム構造のかかえる課題からただちにホームドアを設置することは難しくとも、順次それを解消し、全路線へホームドアを導入し安全性を高めていく予定といいます。
東京メトロと東武鉄道も「共通化」 そのメリットは?
日比谷線には東京メトロの車両のほか、直通運転先である東武鉄道の車両も走りますが、今回の新型車両導入にあわせて、両社の車両が共通化されるのもポイントです。
東武鉄道は日比谷線直通用に、このたび公開された東京メトロ13000系電車と基本仕様を共通にした新型車両70000系を導入する予定。これによって、日比谷線を走る列車は東京メトロの車両も東武の車両もドアの配置が共通化され、先述のホームドア導入が可能になるほか、東京メトロと東武の車両で異なっていた優先席やフリースペースの位置などが統一されることから、「お客様がどの列車にご乗車いただいても、わかりやすく、使いやすい車両として快適にご利用いただくことが可能」(東京メトロ)になるといいます。また、運転や車両保守の取り扱いが両社の車両で共通化されることから、運転操作性や事故対応力の向上なども見込めるそうです。
新たに登場する東京メトロ13000系と東武70000系は2016年度から、再び「東京オリンピック」が開催される2020年度(東武70000系は2019年度)にかけて導入される予定で、冷房能力の強化、座席幅の拡大、座席横の仕切り大型化といった快適性の向上、乗降用ドア上部への液晶モニター設置(17インチワイド×3)、全車両へのフリースペース設置といった設備の充実も図られます。
また現在の日比谷線は8両編成ですが、新型車両は7両編成になります。ただ従来は1両の長さが18mの車両で8両編成だったのに対し、新型車両は20mの車両で7両編成であるため、列車の定員は大きくは変わらず、同等の輸送量を確保しているとのこと。新型車両13000系の運行開始は2016年度中の予定です。
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Writer: 恵 知仁(鉄道ライター)
鉄道を中心に、飛行機や船といった「乗りもの」全般やその旅について、取材や記事制作、写真撮影、書籍執筆などを手がける。日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車済み(完乗)。2級小型船舶免許所持。鉄道ライター/乗りものライター。
20m4扉車導入に伴って東急との直通を復活すべしという声が聞こえてくるが、止めておいた方がいいだろう。確かに復活すれば旅客からは歓迎されるだろうが・・・。
以前と異なり副都心線との相互直通を実施しており、これ以上ダイヤが複雑化すると平常時でも管理が大変だし、いざ非常事態に陥った際に手がつけられなくなる。
仮に直通を実施したとしても、土休日ダイヤの臨時列車レベルに留まることになろう。