就航50周年のJAL「東京〜NY線」、困難を極めた日米交渉のプロセスとは

2016年11月に就航50周年を迎えるJALの東京〜ニューヨーク線ですが、開設に至るまでには困難を極めた日米交渉のプロセスがありました。『日本航空20年史』を元にその歴史を探ります。

交渉は2度決裂、アメリカが示した交換条件とは

 日米の交渉は1961(昭和36)年に始まりますが、アメリカ側が「現行の日米航空協定は両国に対して平等な内容である」と主張して、ニューヨーク乗り入れに対して厳しい交換条件を示したこと、また日本からニューヨークを経由して第三国へ向かう路線の開設を認めなかったため、2度にわたって決裂してしまいます。

 しかし交渉決裂を機に国民の関心も高まり、1965(昭和40)年に衆議院本会議において「ニューヨーク経由世界一周路線をもつことは国民の長い間の熱望であり、日米航空協定改定にあたっては協定の廃棄も辞せずという決意であたるよう」政府に要望する決議が全会一致で採択され、同年8月に3回目の交渉が開始されます。

 3回目の交渉で日本側に提示された交換条件は「アメリカの航空会社が東京、大阪に乗り入れ、そこから第三国に向かう路線も無制限に開設できる権利を認めよ」という厳しいものでしたが、日本側はこれを受け入れ、その代わりにアメリカ側もJAL機のニューヨーク乗り入れと、ニューヨークからヨーロッパへ向かう路線の開設を認めました。

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世界一周路線が加わっている1970年度のJAL国際線路線図(画像出典:日本航空20年史)。

 これを受けてJALは1966(昭和41)年11月12日、DC-8型旅客機を使用した東京〜サンフランシスコ〜ニューヨーク線を週2便で開設します。翌1967(昭和42)年にはニューヨーク〜ロンドンまで延伸され、東京〜香港〜バンコク〜デリー〜カラチ〜カイロ〜ローマ〜パリ〜ロンドンの「南回りヨーロッパ線」や、東京〜アンカレジ〜ハンブルク〜ロンドンの「北回りヨーロッパ線」とつながり悲願の世界一周路線が実現されました。

 その後ニューヨーク〜ロンドン線は1972(昭和47)年に廃止されますが、東京〜ニューヨーク線は現在も運航されており、JALは就航50周年を記念した特別機内食などを今年9月から提供する予定です。

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ニュージーランド航空は2013年まで世界一周路線を運航していた(写真出典:pixabay)。

 ちなみに、世界一周路線はJAL以外にも旧パン・アメリカン航空やシンガポール航空、ニュージーランド航空などが運航していましたが、2013年にニュージーランド航空の路線(オークランド〜ロサンゼルス〜ロンドン、ロンドン〜香港〜オークランド)のうちロンドン〜香港線が廃止されたため、現在は世界にひとつも存在していません。

【了】

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