大部屋「今も健在!」豪華個室人気の裏で… 東北-北海道むすぶ「太平洋フェリー」その利用実態とは
名古屋港―仙台港―苫小牧港を結ぶ国内最長の定期航路を運航する太平洋フェリー。このうち需要の高い仙台-苫小牧間は、太平洋側で本州と北海道を結ぶ競合2航路のちょうど“中間”の距離です。何が強味なのでしょうか。
「仙台」はやっぱり強い
太平洋フェリーの貨物と旅客の比率はおおむね7対3で推移していましたが、近年は旅客需要も増えてきているようです。

仙台―苫小牧航路の競合としては新千歳空港を発着する飛行機のほか、前出したシルバーフェリーと商船三井さんふらわあの2航路が選択肢となりますが、太平洋フェリーが安定的に利用されている理由として、仙台発着という立地の良さと、苫小牧港の到着時間が関係しています。
「東京からだと、それほど苦痛にならない距離に仙台港があり、仙台周辺は宿泊できるところも多く、観光と合わせて乗船する方も多くいらっしゃいます。また、仙台まで来ると(大洗発と比べて)乗船時間も短くなるため、移動コストや港までの移動を含めた所要時間を総合的に考えるとバランスが良いのではないでしょうか」(榎本さん)
これに加えて「北海道へクルマと一緒に行けるというのが大きい」と、カーフェリーならではのメリットを強調します。
「ここ2年くらいで北海道のレンタカーが取りづらいという話や、団体旅行においては現地のバスの手配がつかないという状況が増えているとききます。そのため、部活動などで移動するため、本州からバスを積んで行くことも以前に比べて多く感じます」(榎本さん)。
さらに、「仙台のお客様は仕事が終わってからでも乗れるくらいの時間に仙台港からフェリーが出ます。例えば土日で北海道へ行く用事があったとして、土曜朝の飛行機で仙台空港から新千歳空港まで行っても、到着時間はだいたい9時から11時くらいになってしまう。そうしたら苫小牧港11時着でもそこまで大きな差はありません」と、飛行機に対しても競争力を持っていると胸を張ります。
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