飛行機乗ると「おなら」我慢できない? 上空で“お腹が張る”理由と「絶対ルール」が合理的なワケ

長時間のフライト中、多くの人が経験するお腹の張り。実はこれ、パイロットや客室乗務員にとっても深刻な問題です。気圧の変化が人体に与える意外な影響と、プロが実践する驚きの体調管理術は、どのようなものなのでしょうか。

お腹のガスが3割増!? 富士山の上と同じ機内環境

 旅客機が巡航する高度約1万mの上空は、気温マイナス50℃、気圧は地上の概ね5分の1程度という過酷な環境です。そのため機内は「与圧システム」により人工的な環境が作られていますが、地上と同じ1気圧に設定されているわけではありません。

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ジェット旅客機のイメージ。画像はボーイング747(画像:写真AC)

 機体構造への負荷を減らすため、機内の気圧は意図的に、標高約2400m(富士山の五合目から六合目あたりに相当)と同程度に調整されています。この気圧の低下が、お腹の張りを引き起こす直接の原因です。

 物理学で「ボイルの法則」というのがありますが、これは気体の体積が圧力に反比例することを示すものです。周囲の気圧が下がると、気体の体積は膨張します。これにより、山の上でポテトチップスの袋がパンパンになるのと同じ現象が、体内でも起きるのです。

 飛行機が上昇し機内の気圧が低下するにつれて、胃や腸にあるガスの体積は理論上約35%膨張するとされます。これが、お腹の張りや不快感、いわゆる「飛行機腹」と呼ばれるものを引き起こします。

 ちなみに、ボーイング787型機など炭素繊維複合材を多用した最新旅客機では、機体強度の向上により、客室の気圧をより地上に近い約1800m相当に保てるようになりました。この“2000フィート(約600m)の差”が、お腹の張りや体の負担軽減にもつながっています。

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