フェラーリなのに「馬マークつけちゃダメ!」じゃあ車名は何…? フェラーリを名乗らなかった「異端のフェラーリ」とは
2026年の干支は午(うま)ですが、馬をシンボルマークに用いている自動車メーカーと言えば、イタリアの「フェラーリ」が一番有名でしょう。しかし、歴代のモデルのなかには当初「フェラーリ」を名乗らなかったクルマが存在します。
亡き息子が遺したエンジンを搭載
今年2026年の干支は午(うま)ですが、馬をシンボルマークに用いている自動車メーカーと言えば、イタリアの「フェラーリ」が一番有名でしょう。フェラーリ車には「カヴァリーノ・ランパンテ」と呼ばれる跳ね馬のマークが伝統的に取り付けられていますが、かつてフェラーリ製であるにもかかわらず、跳ね馬のエンブレムが無いモデルが販売されていたことがあります。
それが1967年から1976年まで生産されていた「ディーノ」という小型スポーツカーです。
1960年代当時、フェラーリは大型のV型12気筒エンジンを搭載した高級モデルしか一般向けに販売しておらず、生産も大部分を手作りの工程に頼っていました。また、フェラーリは自動車レースでの勝利のために市販車を売るメーカーでしたが、次第にレース活動が経営を圧迫するようになり、さらには肝心の競技成績も低迷していました。
そこで、同社はイタリア最大手の自動車メーカー「フィアット」と提携することを決断。まずはF1レースの下位カテゴリーである、F2マシンに搭載する小型エンジンをフェラーリが設計し、フィアットが生産などをサポートすることになりました。
このエンジンは創業者のエンツォ・フェラーリの息子で、難病により若くして亡くなったアルフレード・フェラーリのアイデアを基に設計されており、排気量2LのV型6気筒という、それまで市販のフェラーリには搭載されたことがない小さなエンジンでした。
しかしエンツォは「12気筒エンジン以外の市販モデルを『フェラーリ』と呼ばない」という方針をとっていました。そのためこのエンジンを搭載した小型スポーツカーは、アルフレードのニックネームにちなんで「ディーノ206GT」シリーズと命名され、フロントノーズ部やハンドルの中央には跳ね馬のマークに代わって「Dino」のエンブレムが取り付けられました。
ディーノ206GTシリーズは、後に排気量を2.6Lに拡大した「246GT」へと発展しますが、当時のフェラーリファンの一部からは「12気筒エンジン車ではないから“本物の”フェラーリではない」と反発も受けたそうです。
その一方、ディーノ206/246GTシリーズはエンジンを運転席後方にレイアウトする「ミドシップ式」のシャシーを初採用したフェラーリ製市販車であり、商業的にも大成功を収めました。そして最終的にはフェラーリも方針を変更し、ディーノに跳ね馬のマークを装着するようになったといいます。
その後もフェラーリは「308GT」「F355」「458イタリア」など、小型モデルを継続して開発しました。こうしたモデルはイタリア語で「小さいフェラーリ」を意味する“ピッコロ・フェラーリ”とも呼ばれるようになり、現在もV6エンジンとプラグインハイブリッドシステムを搭載する「296GT」シリーズが販売されています。





コメント