子どもの「通勤」ってどういうこと? 実は重要な「小児通勤定期券」とは
西武鉄道は2026年3月の運賃改定に合わせ、「小児均一運賃」を導入します。今回の改定では小児用の通学定期のほか、「通勤定期」の価格も見直されるのですが、そもそも子どもが“通勤する”とは、どのような場合なのでしょうか。
実は存在しないと困ってしまう「小児通勤定期」
西武鉄道は2025年7月23日、小児運賃を均一化する方針を発表しました。2026年3月の運賃改定に合わせて新しい運賃体系を導入する予定で、小学生以下の子どもは西武線内の全区間を均一の運賃で利用できるようになります。

発表によると、小児の普通運賃だけでなく、「小児通学定期」「小児通勤定期」についても一律の額が設定されるとのこと。ここでいう小児用の「“通勤”定期」、そもそもどういった用途のものでしょうか。
じつは「通勤」定期券は、原則として利用目的を問わず、誰でも作ることができます。名称に“通勤”と入っているからといって、「通勤のためだけにしか使えない」ということはありません。
その一方で、通学定期券は鉄道事業者の指定する学校に在籍している人が、通学をするために作ります。購入の際は、学校が発行する通学証明書などの書類の提示が必要です。また、学校に通う児童や学生などであっても、アルバイトや塾、病院などに通うといった、通学以外の利用目的では通学定期券を作ることはできません。
こうした通学定期券の取得条件を満たさない場合、購入できるのは通勤定期券となります。たとえば「小学校低学年の子どもが塾や病院などに通う」といったケースでは、子ども用の通勤定期券が必要になるのです。
小児用通勤定期券の値段は、鉄道会社や路線に関わらず、原則として大人の半額に設定されています。また、子どもが通学以外で定期券を作る場合、券面には「通勤」の表記が入れられます。
今回の西武鉄道の運賃改定では、小児のIC運賃は1乗車につき50円均一とし、小児用通学定期は1か月一律500円、小児用通勤定期券は1か月一律1000円に設定されます。西武鉄道によると、小児通勤定期への均一運賃導入は、大手民鉄では初の事例とのことです。
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