ダイハツのフラッグシップだ!「渾身の力作」が登場直後に大ゴケした真相 “鳴かず飛ばず” でも販売10年以上なぜ?

バブル絶頂期に販売された乗用車「アプローズ」は、実用性に優れ、完成度こそ高かったものの設計ミスから車両火災を起こし、大手新聞が叩いたことから命運を絶たれました。「ダイハツ渾身の力作」のあまりに気の毒な末路を振り返ります。

ダイハツのフラッグシップカーとして持てる技術を全注入

 心臓部のHD型1.6リッター直列4気筒SOHC16バルブエンジンは、このクルマのために新開発したパワーユニットで、中空化されたカムシャフトやクランクシャフト、アルミ製シリンダーブロックなどの軽量化技術が惜しみなく投入されていました。

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ダイハツ初の市販乗用車「コンパーノ」。写真はセダンボディの「コンパーノ・ベルリーナ」。スタイリングはイタリアのカロッツェリア・ヴィニャーレが担当した(画像:ダイハツ)

 組み合わされるギアボックスは5速MTと4速ATから選べ、駆動方式はFF(フロントエンジン前輪駆動)を基本としながらも、雪国のユーザーのためにビスカスLSD付きのセンターデフ方式フルタイム4WDも用意されました。

 サスペンションは、フロントがマクファーソンストラット、リヤがパラレルリンクおよびトレーリングリンクとストラットによる4輪独立懸架式を採用。一部グレード(1990年5月に追加された「QR-90」など)には日本初となる周波数感応式ショックアブソーバーが付与され、高い操縦安定性と乗り心地を両立させていました。

 このクルマの最大の特徴であり、ユニークな試みであったのは、「スーパーリッド」と名付けられたリアガラスとトランクが一体化したハッチゲートの採用にあります。つまり、このクルマは4ドアセダンではなく、5ドアハッチバック車だったのです。この独特な設計は大きな荷物を積み下ろしする際に大変重宝しました。

 スタイリングはてらいのないシンプルなものながら、どことなくフランス車を思わせる上品かつクリーンな美しいものでした。ダイハツは「アプローズ」を開発するにあたってフラッシュサーフェイス化を徹底しており、Cd値は0.33と当時のセダンとしてはなかなかの性能で、優れた空力性能の恩恵で、風切音の少なさも長所のひとつとして挙げられます。

 これほどの力作でありながら、「アプローズ」の販売価格(デビュー時)は108~139万5000円と比較的安価に設定されており、その点はまさしく「ダイハツの良心」と言えるでしょう。

【それ、ヤラセじゃないの!?】アプローズを成功させようとしたダイハツの裏話 (写真)

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