「5時間30分も走る小田急ロマンスカー」に乗ってみた “3路線を直通”する珍しいルートで運行される
東京メトロ千代田線にも乗り入れる「青いロマンスカー」として知られる60000形「MSE」が、約5時間30分も走り続ける珍しいルートで運転されました。
MSEとGSEの「並走」が複々線区間で実現
新宿駅でいったん降車することはできなかったため、ツアー参加者は車内から「非日常体験」を楽しみました。新宿駅を折り返し発車すると、かつて小田急線と有楽町線の新木場駅を結ぶ特急として運行されていた「ベイリゾート」の自動放送が流されるという、「音鉄」に嬉しい企画がありました。

MSEでは、2025年3月から停車駅接近時などに流れる車内チャイムが、小田急の子育て応援マスコットキャラクター「もころん」のテーマソングに順次変更されており、今回のツアーで初めて「もころんチャイム」と「ベイリゾート」自動放送の組み合わせが実現したそうです。
列車は複々線区間に入ると、内側の急行線でなく、外側にある各駅停車用の緩行線を走ります。ここで後から来たGSEの特急「はこね」とMSEが並走するというサプライズが実現。貴重な光景を動画に収めているツアー参加者も見受けられました。
秦野駅まで走ったMSEは同駅で逆線出発し、再び新宿方面へ向かいます。この間も車内ではツアー参加者から募集した「小田急線あるある」が発表されたり、クイズや抽選会が開催されるなど、参加者を飽きさせないイベントが盛りだくさんでした。
ちなみに参加者から募集した「小田急線あるある」では、「富士山がよく見える冬は(ロマンスカーの)前面展望が争奪戦」「多摩線はダイヤ改正の度に、優等列車が消えたり復活したりしがち」「よく見る行先『我孫子』ってどこ?」などの “あるある”が寄せられました。
最後にロマンスカーの定期列車が存在しない多摩線を走り、唐木田駅に到着。当日は酷暑でしたが、ツアー参加者は冷房がよく効いた車内でロマンスカーの長旅を楽しむことができました。
ツアーで使用されたMSEは、片瀬江ノ島発・北千住行きの定期列車「メトロえのしま」の運用に入るため回送されていきました。今回のような団体臨時列車は、定期列車の間合いを活用するケースが多く、実現に向け、小田急トラベルと小田急電鉄の担当者の間で綿密な調整が続けられてきたのです。
なお、小田急電鉄や小田急トラベルでは今後も、ロマンスカー車両を使った珍しいツアーを実施していくとのこと。8月16日(土)には、「EXE30000形&GSE70000形で行く、夜通し乗り継ぎリレーミステリー」、8月27日(水)には「夏休み人気のロマンスカー4車種乗継ミステリーリレー」が予定されています。
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