「え、路駐OKなの?」そんな道路でもなぜか「有料駐車場も満車」のワケ ドライバーが“知らないだけ”とは限らない!

駐車禁止ではない道路があるのに、近隣の有料駐車場が満車になっている光景を目にすることは珍しくありません。有料駐車場を使う意味はあるのでしょうか。もちろん、あえて有料を選んでいる人もいます。

「道交法じゃない摘発」は代償が大きい!

 そのため、たとえ駐車禁止ではない道路でも、朝早くからそのまま1日停めっぱなしにする、夜に停めて朝まで動かさないといった停め方をすると、道路交通法ではなく、車庫法により摘発されるおそれがあります。

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放置駐車違反確認標章。これを貼られたクルマの所有者には違反金の納付書が送られてくる(画像:PIXTA)。

 ちなみに道路交通法違反による摘発(駐車違反、放置駐車違反)の場合、原則として反則点数1点から3点(普通車)、反則金は1万円から1万8000円(同)です。運転者がその場にいなかった場合などは、後日にクルマの所有者へ送られてくる「放置違反金の仮納付書」により放置違反金(反則金と同額)を支払えば、反則点数は付けられません。

 しかし車庫法違反による摘発の場合、交通反則通告制度(軽微な交通違反について、反則金を納付すれば刑事裁判などを経ずに処分が終わる制度)の対象とはならず、起訴されて有罪になれば3か月以下の拘禁刑または20万円以下の罰金という、重い処罰が待っています。

 路上駐車が認められている道路でも、長時間の駐車は思わぬ”災厄”を招く可能性があることを覚えておきましょう。

有料駐車場のほうが「安心感」はある?

 最後に、こうした違反による摘発のおそれがなくても、有料駐車場を利用するドライバーもいます。それは「自分のクルマについてのリスク」を重視するドライバーです。

 路上への駐車は、すぐそばをクルマや自転車が通るため、飛び石や接触によるキズのリスクは少なくありません。また人通りの少ない場所では、故意のイタズラや車上荒らしに遭う可能性もあります。

 もちろん有料駐車場に駐車しても、左右に停めたクルマにドアをぶつけられてキズが付く、車上荒らしに遭うといった事態は起こりえます。しかしキズのリスクは路上駐車よりも低いと考えるのが妥当で、さらに最近の有料駐車場の多くが設置している防犯カメラが、万一の際の犯人特定につながるだけでなく、イタズラや車上荒らしを試みる不届き者への心理的な壁としても働きます。

 近隣の道路が駐車禁止でなく、かつ路上駐車で道路が埋まるような状況ではないエリアでは、有料駐車場の時間貸し料金は比較的低廉であることが一般的です。

 そうしたエリアにクルマを停める際は、車庫法違反での摘発の可能性、キズや車上荒らしも考え、あえて有料駐車場を検討することもリスク回避策のひとつです。一方、路上駐車は何がなんでもダメ、というわけではなく、実際は「禁止されていないところは駐車していい」のです。

【よく見ろ!】これが「路駐OK/NG道路」の違いです(写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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