よりにもよってお前が…!? 故障のSLと交代「泣く子も黙る“死神”機関車」とは? JRは「払い戻します」と謝罪
JR東日本高崎支社の名物となっているSL列車は2025年夏のシーズン初日にSLが故障し、途中駅で運休して出ばなをくじかれました。一部日程の代役として緊急登板したのは、なんと鉄道ファンから「死神」と恐れられている電気機関車でした。
SL不在ごめんなさい「無手数料で払い戻し」も、ふたを開けると…
1つ目のサプライズは、EF64が高崎支社管内でまさかのリバイバル運転を果たしたことです。高崎支社所属のEF64は、2024年秋のELとディーゼル機関車の「ファイナル運転」で惜しまれながら引退していました。

2つ目のサプライズは、「死神」と呼ばれる話題性抜群の機種に白羽の矢が立ったことです。「死神」の俗称を持つのはEF64形1030、31、32号機の3両で、引退した電車を引っ張って解体する工場などへ運ぶ役割を担ってきたことに由来します。
これら3両は「双頭連結器」を装備し、機関車や貨車とつなぐ時に使う「自動連結器」のほか、自走できる車両とつなぐ時の「密着連結器」にも対応。このため、”死神三兄弟”が廃車回送に使われてきました。
中でも1031号機は幅広い引退車両の“ドナドナ”を先導しており、筆者はとりわけ2018年6月に武蔵野線の電車205系を牽く姿が印象に残っています。クリーム色と青色のツートンカラーの美しさに目を奪われ、この日の主役だった205系にカメラを向けるのが遅れるほどでした。
筆者は「乗りものニュース」の2025年5月10日の記事で特急「踊り子」などに使われた電車185系が臨時列車や団体臨時列車での運行を終えて解体を控えていることを報じましたが、最後まで残った「C1編成」の廃車回送もEF64形1031号機が担いました。
そして残る1つのサプライズは、この「死神」の想像を超える人気ぶりでした。
悪役は「愛されキャラ」だった!
JR東日本は2025年8月5日、9日の高崎―桐生間、10、11両日の高崎―横川間の各日1往復をELで代走させることを発表した際に「SLけん引機が変更となる列車へのご乗車を希望されないお客さまは、ご旅行開始前であれば、乗車券類は無手数料で払いもどしいたします」と明記しました。
ところが、ふたを開けると予約のキャンセルは一部出たものの、高崎―横川を往復した筆者を含めたEF64狙いの購入客が空いた席を埋めたためほぼ満席に。プラットホームでもEF64の周囲は常に「撮り鉄」であふれ、大スターのような貫禄を漂わせていました。
車掌は出発後の車内放送で「7月19日に発生したSLD51の車両不具合により、皆さまに多大なご迷惑およびご心配をお掛けしまして誠に申し訳ございません」と謝罪しました。ただ、EF64形1031号機がSLの穴を埋める大役を見事に果たしたのは間違いありません。
「EF64は、1997年の北陸新幹線の長野開業で廃止された信越本線横川―軽井沢(長野県軽井沢町)間で、急勾配の碓氷峠を通る列車の補助機関車を務めていました。」
上記の内容に誤りがあるので、修正して下さい。
「鉄旅オブザイヤー審査員」とは、とても思えないレベルの間違いかと。
ご指摘ありがとうございます。
記事を修正いたしました。
碓氷峠の補助機関車はEF63であって、EF64じゃないですよ。しかも1000番代は元々は上越線用ですし。
ご指摘ありがとうございます。
記事を修正いたしました。