12年ぶりの来日 イギリス的「イージス艦」てっぺんで”巨大な玉”と”黒板”がクルクル~!! 何のため?
イギリス空母「プリンス・オブ・ウェールズ」の随伴艦として横須賀港に寄港した駆逐艦「ドーントレス」。このタイプの駆逐艦が来日したのは12年ぶり2回目なのだとか。間近で見てきました。
「ドーントレス」いつまで日本にいる?
「ドーントレス」は、イギリス空母「プリンス・オブ・ウェールズ」を中心とした空母打撃群(CSG25)の一員として、ノルウェーのフリチョフ・ナンセン級フリゲート「ロアール・アムンセン」と共に来日しました。

歓迎式典において、艦長のベンジャミン・ドリントン中佐は「艦長として、世界最先端の防空駆逐艦を指揮できることを誇りに思う。イギリス空母打撃群はグローバルな安全保障の基盤となっている。このような部隊なしには、海上貿易とサプライチェーンの安全を保証できない。オープンな海と自由貿易に依存する、(日英をはじめとした)我々のような国にとって不可欠な存在だ」と存在感の意義を強調しました。
また、ジュリア・ロングボトム駐日大使は「インド太平洋地域における多国間協力の重要性が高まっていることを歓迎する。特に同盟国ノルウェーの皆さんが参加していることを嬉しく思う。日英間の親善関係を祝福するとともに、相互理解をいっそう深め、より安全で繁栄した未来へ共に歩んでいきたい」と述べました。
CSG25が行う「ハイマスト作戦」は、インド太平洋地域にかけての安全保障に関するイギリスのコミットメントを再確認し、自国の貿易と産業発展をアピールすることが狙いです。オーストラリアで行われる多国間共同訓練「タリスマン・セイバー」や、海上自衛隊の護衛艦「かが」へのF-35B着艦といったことを通じて、NATO(北太平洋条約機構)加盟国と同盟国、パートナー国との連帯を示し、関係強化を図っています。
ゆえに、このたびの空母打撃群の派遣に際して、イギリス軍は陸海空で計4500人以上を参加させており、なかでも海軍は海兵隊と合わせて過半数の2500人が関わっています。
防衛省によれば「ドーントレス」は9月2日(海自横須賀地方総監部の資料によると9月3日)まで横須賀基地にいる予定です。前述したように、12年ぶりに日本に姿を見せたイギリス艦なので、この機会に日米のイージス艦と外観の差違や設計思想の違いを比べてみても面白いでしょう。
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
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