まるでCG? 異形の駆逐艦「ズムウォルト」まもなく就役 特異な姿、背景にその任務

ロシア生まれ、アメリカ育ちのステルス技術 艦艇で実用化が遅れたワケ

 特にレーダー被探知距離を大幅に短くする現代的なステルスの理論は、意外にもロシア人物理学者のウフィムツェムによって確立されました。ウフィムツェムはレーダーの反射を制御しこれが計算可能であることを発見しますが、本国ソ連(当時)ではまったく注目されませんでした。そのため機密指定すらされず、のちに敵国アメリカで注目を集めることになります。

 ロシア人物理学者ウフィムツェムの発見は、1981(昭和56)年に初飛行したアメリカ空軍のロッキードF-117「ナイトホーク」攻撃機という形で初めて実用化されます。そして皮肉なことに、ロシア発の技術で設計されたステルス機F-117は、ロシア製レーダーをほぼ完全に無力化してしまいました。

 飛行機のステルス化に成功したアメリカのロッキード社(現・ロッキード・マーチン社)は、引き続きアメリカ海軍と共同で艦艇のステルス化を目的とした「シー・シャドウ」というステルス実験艦を開発。その有効性が確かめられます。

 しかし艦艇のステルス化は、軍用機のようにすぐさま“突然変異”が生じるようなことはありませんでした。1990年代には、早くもステルスを重視した艦艇の建造計画が立案されるものの、冷戦構造の崩壊によって「アメリカ一強」の時代になり、軍縮の流れからその計画はキャンセルになってしまいます。

 そのため「艦艇のステルス」は、たとえば1990年代から就役を開始したアメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦に、レーダー反射を制御するため直線部分が多く取り入れられるなど、航空機のそれに比べゆっくり、少しずつ実用化されていきました。

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コメント

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5件のコメント

  1. こんな感じの乗務員女子だらけな艦が活躍するアニメがあったような。
    実物?はまだなかったんですね。

    • 皮肉にも潜水艦では実現しそうですが。

  2. 1頁>本来「ステルス」とは、相手に発見されにくいようにする技術やメカニズムを意味します。
    3頁>「ズムウォルト」は日本へ 各地で見られる可能性も

    くすくす

  3. 古のワシントン海軍条約(本来単にワシントン条約。ただし同名別内容の存在を考慮してあえて海軍を追記)なら、基準排水両の時点で立派な主力艦。ロンドン海軍条約(こちらも本来ロンドン条約)なら主砲の口径で軽巡洋艦扱い。いずれにしても駆逐艦という艦種は妥当ではない。ついでに短魚雷もCIWSもないし乗員も少なくダメージコントロールも機械頼りだし、上部構造物がプラスチックだから被弾や被雷の際どうなるかわからない。少なくとも単艦行動は極めつけに危険、という意味でも駆逐艦という名前は不当。あえて当てはめるならかつて存在した火力支援艦(LSF-1キャロネードのみ)とすべき。

  4. 的のレーダー方向に艦首を向けたらほとんど反射波が出ないような形状だな。