「国鉄世代」の電車211系、長野でも新型車に置き換えへ 転属から十数年 残る「牙城」はどこに?
JR東日本が新型車両E131系を長野総合車両センターに導入し、国鉄時代から活躍する211系を置き換えることが明らかになりました。40年近く現役を続ける211系の今後の去就に注目が集まります。
やっぱり「長野色」? ただし「減車」の可能性も
E131系はもともと、大都市圏や地方などの編成が比較的短い線区の標準車両として設計されました。既に千葉県の房総地区や、神奈川県の相模線(橋本―茅ケ崎)、栃木県内の宇都宮線 小山―黒磯間と日光線(宇都宮―日光)、そして神奈川県の鶴見線で運行しています。2025年12月には宮城県の仙石線(あおば通―石巻)でも営業運転が始まる予定です。

車内は壁沿いに座席を設けたロングシートで、各車両に車いすやベビーカーの利用者向けのフリースペースを設置しています。扉の上には停車駅などを案内する液晶表示も設けられており、利用者にとって使いやすい設備が整っています。
先頭部のドット柄と側面の帯は、それぞれの地区の塗装を引き継いできました。このため、長野総合車両センターに配備される車両には「長野色」と呼ばれるアドバンスブルーとリフレッシュグリーンの組み合わせになる見通しです。
これまでに製造されたE131系は2両編成、3両編成、4両編成があります。長野総合車両センターには何両編成の電車が入るのかが注目されそうです。
長野総合車両センター所属の211系は、3両編成と6両編成があります。うち3両編成は屋根上に設けられた換気装置のベンチレーターの撤去といった「延命工事」が進められてきました。これに対し、6両編成は延命工事が確認されていないため、E131系への置き換えが迫っている公算が大きいとみられます。
となると、最大でも4両編成のE131系で6両編成の211系を置き換えることになります。以前よりも利用者が減ったことを背景に、6両編成で運転するには“オーバースペック”になっている電車もあります。このため一部の電車では車両数を減らす「減車」も起こりそうです。
E131系の運行を予定する線区の2023年度における1日当たりの平均通過人員は、いずれもJR東日本の発足初年度である1987年度を下回っています。例えば篠ノ井線(塩尻-篠ノ井)の場合は2023年度に1日当たり1万1259人と、1987年度より約27%減りました。
コメント