「新エアフォースワン」に他国の中古機!? トランプ大統領 進まぬ新型機開発にいら立ち異例の表明 でも結局同じかも?
アメリカ空軍の報道官は2025年9月15日、カタールから寄贈されたボーイング747-8の改修を開始したと発表しました。
カタールから寄贈された機体を使う?
アメリカ空軍の報道官は2025年9月15日、カタールから寄贈されたボーイング747-8の改修を開始したと発表しました。

この機体は、2025年7月にカタール政府から寄贈された747-8型機で、内装は王室仕様の最高級クラスとなっています。
寄贈されたこの機体は、要人輸送支援機として使用される予定ですが、ドナルド・トランプ大統領は、大統領専用機、いわゆる「エアフォースワン」として使用する意向を表明しています。
現在使用されている大統領専用機「VC-25A」は、747-200Bをベースにした機体で、老朽化が進んでおり、2024年12月頃には747-8をベースとした新型「VC-25B」に置き換えられる予定でした。
しかし、新型コロナウイルスによる作業遅延や、開発を担当するボーイング社の人手不足などが影響し、計画は大幅に遅れています。初飛行は2026年頃になると見込まれており、1機目の納入は2027年頃、2機目は2028年の納入が予想されています。
さらにスケジュールが遅れ、2029年以降になる可能性もあるとの報道もあり、大統領2期目となるトランプ大統領が新型エアフォースワンに搭乗できない可能性も出てきました。こうした事態に対し、トランプ大統領は苛立ちを募らせ、「中古機を調達することも可能だし、他の選択肢も検討すべきだ」とSNSで発言していました。
今回の機体は、まさにその“調達された中古機”ではありますが、政府専用機としてすぐに使用できるわけではありません。報道官によれば、たとえ友好国からの寄贈であっても、そのまま使用するには安全保障上のリスクがあるとされています。
そのため、機体はほぼ骨組みまで解体された上で、必要な装備や機材を追加し、要人輸送にふさわしい仕様へと再構築される予定です。具体的な改修期間は未定ですが、最短で数か月、最長で2年程度かかると見られており、長引いた場合はVC-25Bの開発スケジュールと大きな違いがない可能性もあります。
なお、「エアフォースワン」は、大統領が搭乗している際に使用されるアメリカ空軍機のコールサインですが、一般には大統領専用機そのものを指す愛称としても使われています。ちなみに、VC-25Bはトランプ政権下で導入が決定され、その際には赤・白・青の新たなカラーリングが採用される予定でしたが、このデザインはバイデン政権下で破棄されています。
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