「9割の方が全線開通を望んでいます」 お墓に遮られる「開かずの幹線道路」部分開通でも劇的効果!? 東京練馬

東京都練馬区で整備が進む放射第7号線の一部区間が暫定開通してから約半年間の整備効果が公表。これにより周辺道路の交通量が大幅に減少するなど、効果が出ているようです。

新しい道路の開通で何が変わった?

 東京都第四建設事務所は2025年12月17日、練馬区内で今年2月に開通した「放射7号線」の約1km区間について、開通から約6か月間の状況を発表しました。

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奥が放射7号の開通区間。この福泉寺通りとの交差点は信号機が追加設置された(乗りものニュース編集部撮影)

 放射7号は、東京都心から関越道の練馬IC、外環道の大泉ICの先まで通じている幹線道路「目白通り」の延伸部にあたります。事業区間は、目白通りが途切れる大泉学園通りの「北園」交差点から、西東京市境までの約2kmですが、途中にある墓地の移転が進まず、全線開通に至らないままの状態が続いています。

 2月に開通したのは約2kmのうちの西側、都道24号練馬所沢線から、西東京市境の福泉寺通りまでの約1kmです。これにより西東京市内の既存開通部と接続し、三鷹や調布に通じる南北の4車線道路「伏見通り」(調布保谷線)に直結しました。

 交通量調査によると、暫定開放された放射7号線の区間には11時間で約3250台の車両が通行しており、周辺道路からの交通転換が進んでいるといいます。特に、開放の南側に並行する「したみち通り」では、大泉第四小学校前交差点の交通量が約4600台から約2700台へと約4割も減少したということです。

 沿道の住民や事業者を対象としたアンケート調査(総回答数2669)では、7割以上の人が安全性の向上などを実感しているといます。

「車道、歩道、自転車通行帯が広く、しっかり分離されているので安全が守られている」「災害時の避難経路や消防車両の通行がスムーズになることが大変良い」といった声があるといいます。

 特に「したみち通り」は道が狭く通学路にもなっていますが、伏見通りから大泉IC方面への抜け道として使われていることが問題視されています。「したみち通りを子どもと自転車で通行することが怖かったが、今回の道(放射7号)が開通して安心して通行できる」といった声も。

 ただ、この効果を実感できるのは放射7号が開通した西側区間のみです。大泉IC方面へ抜ける東側区間は、歩道も狭いなかを今も多数のクルマが行き交い、危険な状態が続いています。

 また、放射7号については部分開通のため交通量が少ないこともあり「道幅が広く直線であるため、車がスピード出して通過している」といった指摘も。「危険なしたみち通りの混雑緩和やさらなる利便性向上のためにも未開通区間の早期開通を望む」という意見もあり、回答者の約9割が、早期の全線開通を望んでいるといいます。

 なお、東側区間も墓地を残したまま、そのほかの部分の道路築造工事が2025年から進められています。ただしこれは、歩道などのほか、途中で接続する街路や住民の出入りに関係する部分の車道のみを整備するものです。全線開通のめどは立っていません。

【そんなに変わった…?】これが「お墓でブツ切り幹線道路」の部分開通効果です!(地図/画像)

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