「伐らないで!」道路のど真ん中に残った“大木”たちの正体 保護のために「バイパス建設」/「伐採やむなし」も

道路が大きな木を“避けて”通る線形となっているところが各地に存在。残された木にはそれぞれ由緒と歴史がありますが、時の流れとともに変化も生じています。「文化と安全」の両立を図る取り組みを紹介します。

木を守るために「通行止め」

 こうした歴史ある並木を保存するため、クルマの通行を規制する例もあります。

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板橋バイパスに並行する日光例幣使街道は2017年から一部車両通行止めに(画像:栃木県)

 国道121号の一部区間は、徳川家康の没後、日光東照宮に朝廷からの捧げ物を奉献する勅使(日光例幣使)が通ったことから、通称「日光例幣使街道」と呼ばれています。この日光例幣使街道のうち、栃木県日光市の区間では、左右の路肩ぎりぎりまで迫った杉の巨木が道路を空高く覆い、昼でも静謐で厳粛な雰囲気を味わうことができます。

 ただ近年この地区では、クルマの通行にともなう環境の変化で、杉並木の樹勢が衰えるという課題が生まれていました。

 そこで日光市では“文化遺産”の保存のため、並行する国道121号「板橋バイパス」の整備により沿道地域の利用に影響の少ないと考えられる日光市明神~板橋の約1kmの区間について、2017年から「車両通行止(歩行者のみ通行可)」としました。また国道119号旧道の日光市七本桜交差点東側約400mの区間でも、同様の規制を行っています。

●様変わりした埼玉の「大ケヤキ」

 ここまで見てきたように、歴史的に価値のある樹木と道路開発を両立させる試みは、日本各地で行われています。ただ樹木には寿命があることから、「そのままでの保存」が難しくなり、対策を迫られるケースもあります。

 埼玉県道1号、通称「第二産業道路」のさいたま市緑区山崎では、中央分離帯に「山崎の大ケヤキ」と呼ばれる巨木が立っています。この道路が整備される以前、個人宅の表門を入ったところにあった木で、道路整備の際にもそのまま残され、堂々たる枝振りで近隣のランドマークとなっていました。

 しかし近年、大枝の枯れが進み、折れて落下するおそれが出てきたことから、2020年に大規模な剪定が行われ、かつての姿からは様変わりしています。

【立派!だけど邪魔?】道路のど真ん中の名物「大木」たち(写真)

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