「伐らないで!」道路のど真ん中に残った“大木”たちの正体 保護のために「バイパス建設」/「伐採やむなし」も
道路が大きな木を“避けて”通る線形となっているところが各地に存在。残された木にはそれぞれ由緒と歴史がありますが、時の流れとともに変化も生じています。「文化と安全」の両立を図る取り組みを紹介します。
「もう限界」で伐採 戦前からの約束の木
2023年には、東京都港区の国道1号「明治学院前」交差点西側の歩道にあった樹齢100年を超すイチョウの木が伐採されました。

この木はもともと明治学院大学構内にあったもので、旧東京市が道路を拡張するにあたり、大学から「伐採しない」との約束を取り付けて土地を無償提供してもらったという経緯がありました。
しかし近年、樹勢が衰え、港区の調査で根の部分の空洞率が70%で倒木のおそれが高くなったことで、区は大学に連絡の上、伐採を実施しました。在学生・卒業生にとっても学校のランドマークであったことから、大学側も“別れ”を広く周知しています。
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このように樹木の保存と道路との関係は「文化と安全」の両立を図る試みでもあります。地域住民の理解を得るためにも、行政には十分で真摯な説明が求められますし、また地域住民もそうした行政の姿勢にしっかり向き合うことが、この課題を解決する、大きなカギになるのではないでしょうか。
Writer: 植村祐介(ライター&プランナー)
1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。
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