イギリス渇望!「最新の攻撃型原潜」ようやく就役 国防戦略見直しも潜水艦建造は遅延 大丈夫か?
イギリス海軍のアスチュート級攻撃型原子力潜水艦の6番艦「アガメムノン」がこのたび就役しました。一方でイギリスは国防戦略見直しで攻撃型原潜を12隻に倍増する計画を立てています。
国防戦略の見直しで6隻→12隻へ倍増の予定
イギリス海軍は2025年9月22日、アスチュート級原子力潜水艦の6番艦「アガメムノン」が、イングランド北部の都市バロー=イン=ファーネスにあるBAEシステムズの造船所で就役したと発表しました。

アスチュート級原子力潜水艦は、魚雷や対艦ミサイルなどで敵の水上艦や潜水艦などを攻撃するのが主任務の、いわゆる攻撃型原潜と呼ばれるタイプであり、大陸間弾道弾などを搭載する、いわゆる戦略ミサイル原潜ではありません。
「アガメムノン」は2013年7月18日に起工。約11年後の2024年10月3日に進水しています。水中排水量は約7400トン、全長97m、全幅11.3m。乗員数は約100人(最大109人)で、ロールス・ロイス製の加圧水型原子炉「PWR2」を1基搭載し、速力は30ノット(約55.6km/h)。533mm魚雷発射管を6門備え、国産の「スピアフィッシュ」魚雷のほか、アメリカ製の「トマホーク」巡航ミサイルなどを装備しています。
なお、これに先立ち2025年7月18日には、33年以上にわたって運用されていた攻撃型原潜「トライアンフ」が退役しています。同艦はアスチュート級の前型であるトラファルガー級の最終7番艦で、1991年10月に就役したのち長らく第一線で任務に就き続けたベテラン艦です。
「トライアンフ」退役と、このたびの「アガメムノン」就役でイギリスの攻撃型原潜はアスチュート級に統一されたといえますが、それでも攻撃型原潜は6隻しかありません。
イギリスは今年(2025年)6月、国防戦略の見直しを行い、攻撃型原潜を12隻に増強する計画を明らかにしていますが、その達成には長い年月と多額の費用が必須です。現状ではその半分しかない状況のため、貴重な戦力といえるでしょう。
ちなみに、イギリス国防省はアスチュート級を7隻建造する計画で、最終艦「アキリーズ」も起工済みですが、スケジュールが遅延しており、当初は2026年の就役が予定されていたものの、現状では2028年か2029年になる見込みです。
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