まもなく就役! 中国初の本格的カタパルト空母「福建」死角はないのか? 日本の対抗策とは
中国海軍は新型空母「福建」で電磁カタパルトを用いた発艦試験を実施し、就役に向け着実に運用化を進めています。いくつかの課題を抱えながらも、中国軍は戦力を増大し続けており、インド太平洋地域がさらに不安定化する恐れがあります。
2025年中の就役を目指す中国空母「福建」
中華人民共和国(以下中国)国防部は2025年9月22日、最新の空母「福建」で電磁式カタパルトを使い、J-15T戦闘機、J-35ステルス戦闘機、KJ-600早期警戒機の3機種の発着艦訓練を実施したと発表しました。

中国国防省は今回の訓練を「歴史的節目だ」と評価しており、「福建」が近く就役する見通しであることを明らかにしています。中国が発した声明には多少盛られた部分がありますが、それでも中国海軍の「外洋航行能力」が着実に向上していることは間違いありません。
2022年6月に進水した「福建」は、2012年9月に就役した「遼寧」や2019年12月に就役した「山東」に続く3番目の空母となります。大きさは全長316m、幅も最大で76mと、飛行甲板の大きさだけで言えば既存の2隻とあまり変わりませんが、満載排水量が8万トンと一回り大きくなっております。
また、「福建」は発着艦を同時に行える「アングルド・デッキ」を採用しており、今まで米海軍のフォード級空母にしかなかった電磁式カタパルトEMALS(Electro Magnetic Aircraft Launch System)も3基装備。これらにより、発着ランプに基づいた「スキージャンプ式」の「遼寧」や「山東」に比べ、より多くの兵器や燃料を搭載した航空機を発艦できるようになっています。
「福建」は早ければ来年中に就役すると見られています。また、中国は2035年までに空母を6隻運用することを目指しているほか、4番目以降の空母は原子力推進になるだろうと指摘されています。そういったことから、今後は「福建」以上の性能を持った空母が現れる可能性が高いと言えるでしょう。
中国の国防計画が順調に進んだ場合、将来的に中国海軍は鹿児島から沖縄、台湾、フィリピンを通じて南シナ海に至る「第1列島線」はもちろん、小笠原諸島とパプアニューギニアを結ぶ「第2列島線」にも戦力を展開する能力を持つようになると考えられます。しかし、実際に中国海軍がインド太平洋地域における制海能力と、それを可能にする作戦能力を順調に拡充するには、いくつかの課題が残っています。
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