大臣も名指しで激怒! 三菱商事「洋上風力撤退」で暗雲ただよう“船業界” 「責任は極めて大きい」
三菱商事を中心とした企業連合が洋上風力発電事業から全面撤退。それにより暗雲が立ち込めているのが造船メーカーや船社です。経済産業大臣が「責任は極めて大きい」と名指しで批判する、その影響を探ります。
そうは言っても「成り立たない」
加えて第1ラウンドはFIT(固定価格買取制度)による入札であることから、事業環境の変化によるコスト増があっても、応札価格より高い値段で売電することはできません。さらに三菱商事の中西勝也社長は会見で「入札時の2倍以上の価格になっても成り立たない。何千億円を投資してマイナスのリターンになるものを継続することは民間企業としてはできない」と風力発電の事業環境の厳しさを語っていました。

三菱商事の事業撤退を受けて武藤容治経済産業大臣は「最初の案件がこのような結果になったことはたいへん遺憾。途中で放棄する責任というのは極めて大きい。日本を代表する企業として責任を重く受け止め、地元の方々に対しても、最大限の真摯な対応を行っていただきたい」と述べています。
武藤経産相が憤るように第1ラウンドから三菱商事らが撤退したことで、エネルギー基本計画で掲げられた洋上風力の導入が大きく遅れる可能性があります。建設会社や海運の関係者からは「2030年目標の達成は厳しい」との声もささやかれます。
古川室長は「国としては出来るだけ速やかに再公募を行っていきたい」としながら、「今までと同じような制度では同じ事態が繰り返されかねない」と話し、年内をめどに公募制度の見直しや事業環境の整備などに一定の整理をつけるとの方針を説明しました。
「洋上風力事業の案件は実績を作っていかなければ将来的なコスト低減はいつまでたっても図れない。本当は第1ラウンドの事業にそういった役割を期待していたが、続く第2、第3ラウンドなどの皆様に事業をやり遂げていただきたいと思っている」(古川室長)
Writer: 深水千翔(海事ライター)
1988年生まれ。大学卒業後、防衛専門紙を経て日本海事新聞社の記者として造船所や舶用メーカー、防衛関連の取材を担当。現在はフリーランスの記者として活動中。
落雷1発で故障今でもそうだろうと思っています洋上なら発電機が雷様に取って
嬉しい設備狙い撃ち、塩水やら錆やら設備維持費莫大、普通に考えても安い電力料金で減価償却は出来ないと思いますよね