「プラッツ」顔なのに…なぜクーペ!? 北米で奇妙すぎる「初代ヴィッツ」が売られたワケ 実は“若い女性向け”だった?
トヨタ「ヤリス」は、日本では初代モデルより「ヴィッツ」の名で売られていたモデルです。この初代ヴィッツは、かつて北米などで「エコー」という名前で売られており、その出で立ちも日本仕様に存在しない、一見奇妙なものでした。
若い女性にも人気があった?
トヨタ「ヤリス」は、日本では初代モデルより「ヴィッツ」の名で売られていたコンパクトカーです。元々、ヴィッツは1999年の初代モデル登場時から、全世界のほとんどの地域で「ヤリス」を名乗っており、2020年のフルモデルチェンジの際、車名が全世界でヤリスへと統一されました。
日本では3世代・21年間にわたって「ヴィッツ」として親しまれたヤリスですが、実は仕向け地によって、このほかにもいくつかの別名が存在します。なかでも初代モデルに限り、北米やオセアニア地域で使用されたネーミングが「エコー」です。
エコーの特徴的な点は、初代ヴィッツと基本的に同一のボディである3ドア・5ドアのハッチバック以外にも、4ドアセダンや2ドアクーペのバリエーションがあったことです。まず4ドアセダンは、国内でもヴィッツの兄弟車である「プラッツ」として販売されたクルマであり、日本でも街中でよく見かけたモデルです。
しかし、2ドアクーペ版は日本には導入されていないバリエーションです。そのスタイルは、まるでプラッツをそのまま2ドアにしたような出で立ちで、初代ヴィッツやプラッツに馴染みのある日本人にとっては、一見違和感を覚えるかもしれません。なぜこのようなモデルがラインナップに用意されたのでしょうか。
実は、国土が広大で自動車が日本よりも生活必需品として認識されている北米市場では、安価で小型なクーペに依然として根強い需要があります。エコーの2ドアクーペも、こうした現地独自のニーズに応えたものであり、免許取りたての若い学生や、若い女性向けのオシャレなモデルという立ち位置だったのです。
なお、エコーは2005年モデルをもって絶版となっており、以降は「ヤリス」の名前で、日本における2代目ヴィッツが販売されました。そのヤリスについても、2014年からはヤリスの名前のまま、マツダ「デミオ(現:マツダ2)」がOEM供給されましたが、2020年に生産を終了。2025年現在は、ヤリスそのものが北米では販売されていません。





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