フーシ派のミサイル攻撃で商船が航行不能! EUが主導した緊迫の救助作戦の様子が公開される
「アスピデス作戦」の公式Xは、2025年9月30日、イエメンの反政府組織・フーシ派の攻撃を受けた商船から乗組員を救出する様子を公開しました。
ミサイルによる攻撃で炎上
欧州連合(EU)が紅海およびアデン湾に派遣している艦隊による「アスピデス作戦」の公式Xは、2025年9月30日、イエメンの反政府組織・フーシ派の攻撃を受けた商船から乗組員を救出する様子を公開しました。

EUの発表によると、攻撃を受けたのは「MVミネルヴァグラハト」というオランダ船籍の船で、9月29日、イエメン・アデン港の南東128海里の海上において、弾道ミサイルとみられる飛翔体が着弾しました。なお、同船はEUの派遣艦艇による護衛を要請していなかったとのことです。
この攻撃により船は炎上し、航行不能に陥りました。船長からの救難要請を受け、EU艦隊は救助隊を派遣し、ロシア人、ウクライナ人、フィリピン人、スリランカ人の計19名の船員を救出しました。このうち2名は重傷を負っていたとされています。
アスピデス作戦の公式Xに公開された救助動画では、「救助活動は成功裏に完了した。我々は、最も重要かつ脆弱な海上貿易回廊のひとつにおいて、船員の生命を守り、航行の自由に貢献し、海上の安全保障を強化するため、引き続き全力を尽くします」との声明が添えられていました。救助にはイタリア海軍とギリシャ海軍の艦艇および航空機が参加したとされています。
この攻撃については、10月1日、フーシ派が犯行声明を発表しました。フーシ派軍事報道官のヤヤ・サリー准将は、同船がフーシ派の定める「占領地パレスチナの港への入港禁止船」に該当していたことが、攻撃の理由だと説明しています。
フーシ派は、ガザ地区でイスラエルと戦闘を続けるハマスとの連帯を表明しており、イスラエルと関係があると見なされた商船に対して、ミサイルや自爆ドローンによる攻撃を行っています。
ただし、イスラエルとの関係が希薄な船舶も攻撃対象となっていることから、EUのほか、アメリカ、イギリス、インドなども商船護衛のために艦艇を派遣しています。
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