もう「天ぷら油」じゃない! 巻き返しを図る「次世代バイオ燃料」の正体 立ちはだかる“法のカベ”

エコロジーな未来の燃料として注目を集めた「バイオ燃料」が、近年さらなる進化を遂げています。特に対応へ積極的なのがマツダですが、どのような取り組みを行っているのでしょうか。

エンジンにも優しく、パワーもある「次世代バイオ燃料」が登場

 エコロジーな未来の燃料として注目を集める「バイオ燃料」。従来とは違う「HVO」と呼ばれるタイプが登場したことにより、近年さらなる進化を遂げています。特に、HVO燃料への対応へ積極的なのがマツダです。どのような取り組みを行っているのでしょうか。

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次世代バイオ燃料「HVO」に対応したマツダ「CX-80」(西川昇吾撮影)

 バイオ燃料とは、バイオマス(生物資源)から作られた燃料のことです。主な原料である植物は、成長の過程で大気から二酸化炭素を吸収しています。そのため、バイオ燃料は燃やしても、二酸化炭素を“出していない”と見なすのが一般的です。

 実際には燃やせば二酸化炭素を排出するものの、環境対策として広まった「カーボンニュートラル」は、このように炭素(カーボン)の全体量を元と同等(ニュートラル)に保つという考え方が基本の原則です。

 ところでバイオ燃料と聞くと、使用済みの天ぷら油から作った再生燃料をイメージする人も多いかもしれません。このような従来のバイオ燃料は「FAME(脂肪酸メチルエステル)」と呼ばれるもので、廃食油をメタノールと反応させて、軽油に近しい性質を作り出しています。

 一方、バイオ燃料は昨今、世界的に「HVO(水素化処理植物油)」という進化したタイプへと置き換わりつつあります。HVOは植物由来の廃食油を水素と反応させ、石油に近い分子に作り替えることで燃料とする、次世代のバイオ燃料です。

 両者の大きな違いが、酸化のしやすさです。FAMEは酸化による変質の進行が早く、エンジンや燃料系配管などのゴムパーツなどにダメージを与えやすい弱点があります。しかし、HVOは酸化しにくく部品への攻撃性が低いため、クルマの使用時はもちろん、1台の車両を長く使うという形でも環境に配慮できるのです。

 さらに、HVOは性能的にもFAMEより優れています。HVOが持つ単位体積当たりのエネルギー量は、現在使われている軽油とほぼ同等。燃料としても軽油並みのパワーが期待できるのです。

【“天ぷら油”とは違います!】これが「次世代バイオ燃料」です(写真で見る)

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