「ゴミがゴミを呼ぶ」幹線道路沿いのゴミ銀座 そこで「ゴミを捨てる」ドライバーの心理とは? 「不満のはけ口」の可能性も

幹線道路の渋滞が起きやすい場所、あるいは人目につきにくい場所でゴミの不法投棄が問題となるケースがあります。交通心理士によると、これには集団心理や「道路上の匿名性」が関係していると指摘します。

実際にあった「対策」とは? 効果は?

「クルマからのゴミの不法投棄」の抜本的対策について、島崎准教授は意見を聞かせてくれました。

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高規格道路沿いで見つけた看板。そのものズバリを訴えている(乗りものニュース編集部撮影)

「いくつかの方法が考えられます。一つは『発想の転換』で、不法投棄が多い場所に、あえて『ゴミ箱を設置する』というもの。無規則・乱雑に散らかるよりも『ここに捨ててください』と指定すれば、むしろ環境が保たれる場合もあります。

 また、これは実際にあった例ですが、『環境デザインの工夫』として『鳥居やお札を設置して心理的に捨てにくくする』という対策もあります。トイレにはよく『いつもきれいに使ってくれてありがとう』といった札がありますが、こういった例を応用して『ゴミの持ち帰りに協力してくれてありがとう』などの看板を立てておくのも良いかもしれません。

『罰則や監視を強化し、罰金表示や監視カメラなどを設置する』という厳しくでる対策も有効かもしれませんが、そのゴミの不法投棄が『不満のはけ口』的な行動である場合には抑制効果は限定的かもしれません」(島崎准教授)

※ ※ ※

 そもそも、冒頭で紹介した運転席のすぐ脇に見られるゴミが刺さった金網というのは、もともと不法投棄が多く、その対策として導入されるケースがあります。一時はゴミがなくなっても、また捨てられるというイタチごっこが各地で繰り広げられています。

 最後に島崎准教授は「いずれにしても根本的には『社会全体でゴミの不法投棄をどう処理するか』という仕組みづくりと、『ドライバーの行動心理への理解』の両輪で取り組んでいくべき」とも言い、実は大がかりな取り組みが必要な問題だとも指摘しました。

 いずれにしても「クルマからのゴミの不法投棄」はマナー違反というだけでなく、れっきとした犯罪であり迷惑極まりない行動。少しずつ「ゴミがゴミを呼ぶ」場所が減り、各地の道路を気持ち良く運転できるようになることを願うばかりです。

※島崎 敢准教授が出演するトラックドライバー応援Podcast「プロフェッショナルドライブ」

https://prodora.jp/

【これはひどい…】尿入りペットボトルが捨てられまくった場所(画像)

Writer:

1971年、東京都生まれ。編集プロダクション・deco代表。バイク、クルマ、ガジェット、保護犬猫、グルメなど幅広いジャンルで複数のWEBメディアに寄稿中。また、台湾に関する著書、連載複数あり。好きな乗りものはスタイリッシュ系よりも、どこかちょっと足りないような、おもちゃのようなチープ感のあるもの。

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