バスの「降車ボタン」そんなに必要か? メチャ設置されているワケ 押しやすいだけじゃない知られざる理由とは
路線バスの車内にたくさん設置されている「降車ボタン」。押しやすさのためだけではなく、その数には深い理由がありました。いったい、どういうことなのでしょうか。
配線も電池も不要! 進化する降車ボタンに秘められた工夫
バスの降車ボタンが、大きな進化を遂げています。

バス用機器大手の「レシップ」が開発した無線式の降車ボタンは、配線だけでなく電池すら不要。ボタンを押す力で発電して無線信号を送る「エネルギーハーベスティング」という技術で、トータルで約10kgの軽量化を達成しており、燃費向上やメンテナンスコストの削減にも貢献するといいます。
こうした最新技術は、乗客がより押しやすい位置にボタンを設置できるようにするものですが、そもそも日本のバスには、なぜこれほど多くの降車ボタンがあるのでしょうか。
その歴史は、かつて主流だった車掌が乗務するツーマンバスから、運転士ひとりで運行するワンマンバスへの移行期にさかのぼります。車掌がいなくなったことで、乗客が自ら降車の意思を伝える必要が生まれたのです。
現在では当たり前の押すと光るボタンも、実は海外ではほとんど見られない、日本で独自に進化した機能です。
ボタンを押した本人だけでなく、ほかの乗客にも信号が伝わったことが、ひと目でわかるこの仕組みは、不要な重ね押しを防ぎ、乗客の安心感を高める工夫と言えるでしょう。
では、こうした多さや配置の背景にある基準や思想は何なのでしょうか。
コメント