SNS時代にプロはどう映像を作るのか キヤノン/ニコン/パナソニック/Samsungの展示に見る「技術力」
映像・写真の機材展示などを行うイベント「CREATORS EDGE 2025」が東京都立産業貿易センターで開催されました。協賛した30社のなかから、新機材を展示したキヤノンとニコン、スマホアプリを紹介したパナソニック、外付けSSDを紹介したSamsungを見てみます。
手軽に絵コンテ作成 パナソニックのスマホアプリ「LUMIX Flow」
パナソニックは、映像クリエーターの「ワークフローへの貢献」をテーマに、最新機材とスマートフォンアプリ「LUMIX Flow」のデモンストレーションを展開していました。

LUMIX Flowは、映像制作の効率化と可視化を目的として開発されました。絵コンテ(ストーリーボード)の作成から撮影順管理、露出設定、モニタリング共有までを一元的に行えるのが大きな特徴です。このアプリを用いることで、従来の紙ベースの絵コンテ運用に代わるデジタルワークフローが実現し、現場の作業効率が大幅に向上します。
アプリでは、直感的な操作で絵コンテが作成でき、撮影中には次に撮るべきカットがカメラ画面上にサムネイル表示されます。また、撮影後は自動で保存確認フローが入り、制作管理の一元化が図れます。特に、撮影順と台本の不一致という現場の課題を、アプリのワークフローに沿って撮影することで解消し、書き出し時には自動的に絵コンテ順で整列できる点が制作管理の面で高い効果を発揮します。
このLUMIX Flowは現在、全機能を無料で利用でき、カメラと接続せずとも絵コンテの作成や参照が可能です。Wi-Fiでカメラと連携すれば、スマートフォンを外部モニターとして活用でき、露出など一部設定のリモート操作も行えます。さらに、スマホ画面をPCや大型ディスプレーにミラーリングすることで、ディレクターやクライアントがリアルタイムで映像を確認でき、現場での意思決定がスムーズになる点も、ワークショップでのデモンストレーションを通じて示されました。
現在、LUMIX Flowの一部連携機能はS1シリーズに限定されていますが、アプリ単体でも十分に活用できます。手ぶれ補正性能の高さや車載撮影など、動きの大きいシーンでも安定した映像が得られる点が好評を博していました。
iPhoneと直に接続 Samsungの大容量SSD
Samsungは、圧倒的な速さと信頼性を融合させたストレージソリューションを紹介していました。

スマートフォンのカメラ性能は飛躍的に向上し、誰もが手軽に高品質な映像を撮影できるようになりましたが、プロフェッショナルな映像制作の現場では、依然としてストレージ容量や拡張性の問題が大きな課題とされます。
そこでSamsungは、高性能、大容量のSSD(Solid State Drive)とメモリカードなどを紹介。高速データ転送により制作ワークフローの時間短縮を実現し、大切な映像を安全かつスムーズに運用できるとのことです。
最大の特長は、iPhoneからUSB Type-Cポートを通して、外付けのSSDへ直接映像データを収録できるようになったことです。これにより、iPhone本体のストレージ容量を気にすることなく、長時間の高画質撮影が可能に。展示会で紹介されたソリューションでは、最大4TBもの大容量SSDを使用できるとされており、プロの現場で求められる膨大なデータを扱ううえで大きな利点となりそうです。
iPhoneを映像制作の核として活用する動きは、さまざまな企業に広がっており、そのなかでSamsungの技術や製品はさらに注目を集めるかもしれません。
SONYが無いですね。