「敵」ではなく「相棒」だった!? 東京湾フェリーとアクアラインの共存関係「何かあったら助けるから!」

東京湾アクアラインの休日料金が時間帯によっては値上げされる今、改めて「東京湾フェリー」の価値が見直されています。なぜ時間のかかるフェリーが存続できるのか。背景には競争とは異なる深い理由がありました。

休日1600円も! アクアラインの「複雑料金」がフェリーの強みに

 神奈川県と千葉県を往来するにあたって、いまやなくてはならないルートとなっているのが「東京湾アクアライン」です。東京湾を挟んだ両岸、神奈川県と千葉県の房総半島方面を結ぶ短絡線として、常に多くのクルマが行き交っています。

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桟橋に停泊する東京湾フェリー(画像:写真AC)

 一方、東京湾アクアラインができるまで主要ルートだったのが、横須賀市の久里浜港と富津市の金谷港を約40分で結ぶ東京湾フェリーでした。東京湾アクアラインがメインになった今、東京湾フェリーの存在は影が薄くなったように思えますが、そんなことはありません。

 じつは、東京湾フェリーと東京湾アクアラインは共存関係の間柄と言えるのです。そのことを端的に示したのが、2024年11月10日に開催された「ちばアクアラインマラソン」でした。

 このマラソンは2年おきに開催されていますが、実施にあたって東京湾アクアラインには大規模な通行止めが敷かれます。その際、う回ルートとして案内されるのが、前出の東京湾フェリーなのです

 そもそも東京湾アクアラインは、ETC車なら800円というイメージが強いですが、渋滞対策として2025年4月から、休日の上り線(木更津→川崎)で時間帯による変動料金制が導入されています。

 最も混雑する13時から19時の間は1600円に設定される一方、早朝や夜間は400円になるなど、複雑な料金体系となっています。こうした料金の複雑さが、シンプルで予測可能な料金設定のフェリーにとって追い風となっているようです。

 さらに決定的なのが、フェリーが独占する市場の存在です。アクアラインは自動車専用道路のため、歩行者や自転車はもちろん、125cc以下のバイクについても通行できません。

 ツーリングやサイクリングで房総半島や三浦半島を楽しむ人々にとって、フェリーは湾を横断できる唯一無二の選択肢となっています。

【まるで怪獣の口!?】これが東京湾フェリーの乗り場です(写真)

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