「農道」が海を渡る…!? 暫定的に蘇った壮麗な斜張橋 復旧には“生い立ち”が影響も

石川県の本土と離島の「能登島」を結ぶ壮麗な斜張橋は、2024年の能登半島地震で大きな被害を受けました。その復旧にはこの橋ならではの“生い立ち”が影響しました。この橋は、なんと「農道」なのです。

「農道」という“生い立ち”が復旧に影響?

 ただこの「ツインブリッジのと」も、2024年1月1日にこの地域を襲った「能登半島地震」で大きな被害を受けました。

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もう一つの橋「能登島大橋」。こちらは県道(植村祐介撮影)

 七尾市の震度は6強もしくは6弱で、ツインブリッジのとは路面に約40cmの段差が発生、さらに両端の橋台、能登島側の橋脚が破損し、通行止めを余儀なくされたのです。

 もうひとつの能登島への陸路である「能登島大橋」も、地震による一部損傷で同様に通行止めとなり、能登島は一時的に道路交通から孤立します。ただその後の復旧においては、被害の規模に加え、両橋の“生い立ちの違い”が明暗を分けることとなります。

 能登島大橋はジョイント部に破損があったものの、基礎には大きな被害はなく、地震発生翌日の1月2日には応急修理の上、片側交互通行が可能となりました。しかしツインブリッジのとは、被害の大きさに加え、そもそも農道であることが、復旧作業への着手遅れにつながったのです。

 2011年の東日本大震災では、都道府県道、市町村道が大きな被害を受けたことを踏まえ、これら道路で災害復旧工事を国が代行できる「地方管理道路の災害復旧工事等の代行制度」が定められ、より迅速な復旧を可能とするスキームが生まれました。しかし農道はこの制度の対象外であったことから、復旧作業への着手そのものが遅れてしまったのです。

 七尾市に代わり県が応急復旧工事に着手し、一部片側交互通行での暫定供用が始まったのは、地震から1年半が経った2025年6月16日になってからでした。

 なお暫定供用後も、本格復旧に向けての工事は続き、2025年10月現在は前記の片側交互通行に加え、「総重量17トンを超える車両の通行禁止」「総重量10トンを超える車両は20mの車間距離を確保」「歩行者は通行禁止」という規制が引き続き行われています。

 このように能登半島ではまだ地震の被害からの復旧が続いていますが、主要道路はほぼ交通が回復し、また今回訪れた能登島も観光への影響はなくなっています。被災地を応援する意味合いからも、この珍しい「海を渡る農道」を通り、能登島の観光、そして海の幸を楽しみに出かけてみてはいかがでしょうか。

【え…!】これが「海を渡る農道」です(地図/写真)

Writer:

1966年、福岡県生まれ。自動車専門誌編集部勤務を経て独立。クルマ、PC、マリン&ウインタースポーツ、国内外の旅行など多彩な趣味を通し積み重ねた経験と人脈、知的探究心がセールスポイント。カーライフ系、ニュース&エンタメ系、インタビュー記事執筆のほか、主にIT&通信分野でのB2Bウェブサイトの企画立案、制作、原稿執筆なども手がける。

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