「最高機密」なのになぜ? 「ロシア最新ステルス戦闘機」中東の“空の祭典”で初展示へ…その納得の狙いとは

UAEのドバイで開催される「ドバイエアショー」に、ロシアの最新鋭ステルス戦闘機Su-57「フェロン」が展示予定です。その存在は同国にとって最精鋭かつ最高機密のように思えますが、なぜ海外のイベントに参加させて営業活動をするのでしょうか。

中東最大級のエアショーに最新ロシア戦闘機が参加

 ロシアの国営防衛企業ロステックは、11月17日よりUAE(アラブ首長国連邦)のドバイで開催される「ドバイエアショー2025」で、ロシアの最新鋭ステルス戦闘機Su-57「フェロン」が参加する予定だと発表しました。同機が中東地域の公開イベントに参加するのは初めてのことで、現地では実機が展示されるだけでなく、実際にデモンストレーション飛行を実施するそうです。

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Su-57戦闘機(画像:UAC)

 Su-57はロシアが開発した第5世代ステルス戦闘機で、2020年から同国の空軍で配備が始まっており、過去には試験的にシリアやウクライナで実戦参加も経験しています。また、ロシア製最新鋭戦闘機はエンターテインメント作品でも有名で、数々の映画やゲーム作品などにも登場。トム・クルーズ主演の大ヒット映画「トップガン・マーヴェリック」では、クライマックスの戦闘でSu-57をモチーフにした架空戦闘機が登場しています。

 Su-57はロシア空軍で採用された国内向けモデルの他に、輸出用のSu-57E(Eは輸出を意味する)が提案されており、今回のドバイエアショーへの参加はそのセールスの一環です。E型は一部機能がロシア空軍向けモデルよりも制限がありますが、中東、アジア諸国に提案され、報道によればアルジェリアが購入を決定したと伝えられています。

 Su-57は現状ではロシアで唯一の実用化されたステルス戦闘機であり、その存在は最精鋭かつ最高機密のように思えます。しかし、そんな戦闘機を輸出し、海外のイベントに参加させて営業活動をするのでしょうか。

 実はそこにはロシア国内の軍需産業が抱える問題と、最新鋭戦闘機輸出による経済・政治的なメリットがあるからです。

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