「最高機密」なのになぜ? 「ロシア最新ステルス戦闘機」中東の“空の祭典”で初展示へ…その納得の狙いとは

UAEのドバイで開催される「ドバイエアショー」に、ロシアの最新鋭ステルス戦闘機Su-57「フェロン」が展示予定です。その存在は同国にとって最精鋭かつ最高機密のように思えますが、なぜ海外のイベントに参加させて営業活動をするのでしょうか。

購入特典が盛りだくさん? ロシア製ステルス戦闘機を導入する理由

 現在、輸出可能なステルス戦闘機としては、日本の航空自衛隊も導入しているアメリカ製のF-35「ライトニングII」があります。既に世界各国に1200機以上が納入され、その能力と実績は確立された機体だといえます。しかし、その導入と維持には、アメリカ政府との良好な関係を継続する必要があり、トルコなどはF-35開発参加国でサプライヤーとして部品供給まで担当していたにも関わらず、ロシア製地対空ミサイルの導入をきっかけに、引き渡し停止と計画自体から排除されています。

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Su-57戦闘機(画像:UAC)

 Su-57は、そんなアメリカ政府との外交関係に問題や一定の距離を置きたい国々にとっては、F-35に変わる選択肢になるといえるでしょう。また、Su-57を導入した場合、ロシアとの外交・安全保障上の繋がりを作ることになり、これは輸入国への影響だけでなく、輸出するロシア側にとってもメリットとなります。ウクライナ侵攻以降に欧米諸国から外交から孤立しているロシアにとって、兵器輸出は外交関係を促進する手段にもなるのです。

 ロシアでは今回のドバイエアショーにおいて、Su-57以外にもYak-130M練習・軽戦闘機やKa-52ヘリコプター、Il-76MD軍用輸送機、Ka-32輸送ヘリコプターなどを参加させる予定で、屋内ブースでも各種ロシア製装備品の展示を行なうそうです。

 ロシアの兵器輸出は、経済的にも外交的にも大きなメリットがあり、今後も欧米以外の展示会では活発なセールス活動が継続されるでしょう。

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