東京メトロ「新駅予定地」はどんな場所? 利便性“爆上がり”は確実 運河に囲まれた現場を歩く

豊洲駅と住吉駅を結ぶ東京メトロ有楽町線の延長区間、通称「豊住線」の建設工事が少しずつ進んでいます。途中には枝川駅(仮称)が計画されていますが、周辺はどのような場所なのでしょうか。

新駅予定地の状況は?

 江東区は南北を結ぶ鉄道路線が少ない点が課題とされてきました。近年は都営大江戸線や東京メトロ半蔵門線の延伸開業により改善は進みましたが、今でも区の東側、四つ目通りの住吉以南や明治通りの界隈は南北の旅客鉄道路線、地図で見ると「縦」の鉄道がない状況。枝川の北側、塩浜を通る貨物線の越中島支線を旅客化する話は、昔から現れては消えという状況ながらも要望され続けてきたものでした。

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深川消防署枝川出張所に隣接する、工事用の囲いに掲出された有楽町線延伸工事の文字(和田稔撮影、画像を一部加工)

 現在、枝川二丁目バス停からとうきょうスカイツリー駅前・錦糸町駅前行きのバスが高頻度で運行されており、常に立ち客もいるほど。それぞれ三ツ目通り、大門通りという経路の違いはありますが、南北ルートの需要をうかがえます。

 余談ではありますが、豊住線は東陽町駅も通ります。同駅の近くには運転免許の試験や更新手続きを行う江東運転免許試験場がありますが、アクセスには意外と乗り換えなど必要で、驚いたことがある人もいるのではないでしょうか。現在、東陽町駅は鉄道での経路が東西方面しかありませんが、豊住線により南北方面への選択肢が広がることになります。

 枝川地区の期待の星ともいえる新駅、工事状況はどうなっているのでしょう。

 2025年9月下旬時点では、地上での大規模な工事は行われていない様子でした。歩道に工事の跡やパイロンの設置などはありましたが、この時は静かなものでした。ただし、時期によっては交通規制などを行う調査や工事も行われているようで、車道上には調査のため掘り返した跡も見ることができます。

 一方、工事に関わる掲示など着実に進行していることを実感させる光景も見られます。枝川橋東の交差点周辺をはじめ、建設予定地の道路上には管理区分を示す掲示が。また、町内には「地下鉄8号線工事関係 お知らせ」の掲示板も設置されており、月や週ごとの作業内容が周知されています。

 深川消防署枝川出張所の先にある地帯には工事用の囲いも。現時点で周辺の光景に大きな変化はないものの、工事は着々と進められているという雰囲気でした。

 昔ながらの風景を残す枝川地区ですが、豊住線の進捗とともに街が姿を変えていく日もそう遠くはないのかもしれません。

【気配ある?】東京メトロ「新駅予定地」の現況を見る(現地写真)

Writer:

幼少期、祖父に連れられJR越後線を眺める日々を過ごし鉄道好きに。会社員を経て、現在はフリーの鉄道ライターとして活動中。 鉄道誌『J train』(イカロス出版)などに寄稿、機関車・貨物列車を主軸としつつ、信号設備や配線、運行形態などの意味合いも探究する。多数の本とNゲージで部屋が埋め尽くされている。

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