全国で唯一「ドライブスルー公衆電話」とは? 愛知に現存する“珍スポット”行って判明! その使い方
日本には、クルマに乗りながら利用することを想定した公衆電話があります。時代が進むにつれてそれらはなくなっていきましたが、愛知県日進市にはその数少ない公衆電話が現存しています。
「ドライブスルー公衆電話」の周り巡ってみた
現存唯一となった日進市のドライブスルー公衆電話について、担当者は次のように話します。
「公衆電話の設置は、周辺の設置状況、利便性、利用の頻度などを考慮して決められます。ここは2019年6月のリニューアルをきっかけに、災害時も利用できることを通行車両にも呼び掛けています。普段使いや緊急連絡だけでなく、災害時の連絡手段としても使っていただければと思っています」
現代人からすると、利用場面がなかなか想像できなくなっているドライブスルー公衆電話ですが、筆者(鈴木伊玖馬:乗りもの好きライター)が実際に現地へ行ってみると、ここに公衆電話を設置する意味がよくわかった気がしました。
というのも、このドライブスルー公衆電話は非常に交通量が多い場所にあります。すぐ東側にあるのが県道57号。この道路は長久手市から日進市、豊明市、大府市など名古屋市郊外に点在する各自治体を通る主要道路であり、平日の昼間であっても多くのクルマが行き交います。
また、ドライブスルー公衆電話のすぐ裏側には日進市立図書館があります。その西側には日進市役所やJA愛知の店舗が、南西側には愛知日進市スポーツセンターなどが置かれており、公衆電話の周辺が市の中心スポットである様子がうかがえました。
さらにクルマで15分ほど北側に行った地点には、愛知学院大学や名古屋外国語大学といった地元の大学があります。ドライブスルー公衆電話は原付などでも利用できるため、通学時の学生が使うこともあるのではないでしょうか。
日進市の人口自体は10万人に満たない程度です。しかし上術したような点を鑑みると、設置当時は相当活用されていたのではないかと考えられます。もちろん、携帯電話が普及してからも、電池切れでこの公衆電話に駆け込む人は少なからずいたことでしょう。
最近のクルマにはUSBソケットが設けられていることも多く、ケーブルを持ち込めばスマートフォンを簡単に充電できます。そのため、今後この公衆電話の利用機会が大幅に増えることはおそらくないでしょう。しかし昨今の災害などを考えると、緊急時の連絡手段を備えておくのは非常に有益なように現地へ足を運んで思いました。
Writer: 鈴木伊玖馬(乗りもの好きライター)
愛知県生まれ。飛行機が好きで航空博物館などを取材するうち、自動車関係の記事や取材も手がけるようになる。ホンダ「シビック Type R」のようなホットハッチが好み。





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