「え、もう新型!?」 三菱デリカミニ、大人気なのにモデルチェンジ早すぎのワケ 背景に「兄の人気がなさすぎて」
軽スーパーハイトワゴンの三菱「デリカミニ」がフルモデルチェンジし、2代目へと進化しました。わずか2年半という異例の速さで全面刷新となったのは、なぜなのでしょうか。
「タフなやつ」だからオンロードだとちょっと…?
そうした事情から2代目となった新型デリカミニですが、企画当初から“デリカD:5の弟分”として開発されたため、電子制御メカニズムを中心に「デリカ」のブランドに相応しい仕上がりとなっています。
エンジンやプラットフォームなど、基本的なメカニズムは日産のルークスと共通ですが、CVTは専用制御となっているほか、走行モードはオフロード性能を高めてくれる「グラベル」「スノー」モードを含め、計5つのモードを独自に備えています。
さらに、4WDグレードはオフロードでの走行試験を踏まえて、サスペンションの減衰力がオリジナルのセッティングになっています。しっかりとした「デリカ」らしい走破性能を実現した、こだわりあふれるグレードとなっています。
今回は公道のみでの試乗でしたが、オンロードでもスーパーハイト軽としては満足度の高い乗り味であったことが印象的です。
特に、旋回時の安定感には驚かされました。背の高いモデルでありつつオフロード性能も重視しているため、乗る前はロールが大きく不安を感じる挙動を示すのではと危惧していましたが、実際には滑らかにロールしていくため、不安感は少なめ。パワーステアリングも、路面からのインフォメーションを得やすい操舵感覚を持っています。
また、CVTもパワーが欲しい場面でトルクバンドをしっかり維持してくれるので、上り勾配の峠道でも、もたつき感やパワー不足をあまり感じさせません。ワインディングでも想像以上に楽しくドライブできる印象でした。
乗り心地に関しては、低速域ではややコツコツとした印象を受けますが、クラス内で考えれば及第点。静粛性も「とっても高い!」とびっくりするほどではないものの、車内での会話は良好にできそうな雰囲気です。
新型デリカミニは、少なくともオンロードにおいては、このクラスの一番人気であるホンダ「N-BOX」に肉薄した性能を持っていると感じました。それでいて、N-BOXにはないオフロード性能を高めたキャラクターを明確にしているのですから、日常的なシーンの満足度だけなく、いろいろな場所に行ってみたくなるワクワク感も与えてくれそうです。
Writer: 西川昇吾(モータージャーナリスト)
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。自動車専門誌やウェブ媒体、ファッション誌などで、新車情報からカスタムかー、旧車、カーライフお役立ちネタまでクルマに関して幅広く執筆。自身でのレース活動も行っている。





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