ついに実現「高速バスの“自動運転”」に乗った! 見えてきた未来 でも「こりゃ無人化は相当先だ」 実導入の課題は山積み
愛知県で国内初となる高速道路でのバス自動運転の実証実験が行われました。実際に同乗して高速バス事業の将来像も見えてきた一方、当面、「無人は難しい」という事情も分かってきました。
ついに高速バスも自動運転 「超難関」ポイントは?
愛知県で、高速バス自動運転の実証実験が行われています。実際の高速道路、自動車専用道路で、高速バスタイプの車両が自動運転するのは国内で初めてです。筆者(成定竜一・高速バスマーケティング研究所代表)も、さっそく実験に同乗させてもらいました。そこで見えてきた高速バス事業の将来像と、だからこそ浮き彫りとなった課題をまとめます。
この取り組みは、愛知県が主体となり、名鉄バスを幹事会社とする企業グループが実施するものです。同社が保有する貸切バス車両を改造し「レベル2」の自動運転を行います。将来的な「レベル4」実現への課題や、その際における高速バスのビジネスモデルを検討するのが目的です。
自動運転レベル2は、アクセル、ブレーキとハンドル操作は自動ですが、運転の主体は人です。レベル4とは、特定の条件下においてシステムが全ての運転動作を行うものです。
名鉄バスらは事前に6000kmもの準備走行を重ね、この実証運行を迎えました。自動運転区間は、知多半島道路の阿久比IC、阿久比PA(愛知県知多郡)と中部国際空港旅客ターミナル前の間の上下線です。最高速度は80km/hで、本線からの分岐、合流および料金所の通過を含みます。
特に合流は、本線2車線と支線2車線が本線2車線に収束するジャンクションで、支線の左側車線から右へ2車線分の車線変更を伴う、ふだんでも気を遣う箇所です。合流点に差し掛かると方向指示器が自動で点滅し始め、周囲の車の位置や速度をシステムが認識して、本線上の車両の合間を見つけて左から合流します。
同乗日は見事に自動で合流しました。ただ道路状況によっては手動介入もある(実験が想定する走行条件外)ということです。
技術面は、路線バスタイプやトラックの自動運転で数々の実証実験を担う先進モビリティ社が担当しています。同社は、高速バスに固有の技術要素は特にないと言います。バス車両の制御は路線バスタイプで、また高速域での走行や合流はトラックで、それぞれ実験を重ねているからです。



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