ついに実現「高速バスの“自動運転”」に乗った! 見えてきた未来 でも「こりゃ無人化は相当先だ」 実導入の課題は山積み
愛知県で国内初となる高速道路でのバス自動運転の実証実験が行われました。実際に同乗して高速バス事業の将来像も見えてきた一方、当面、「無人は難しい」という事情も分かってきました。
技術は進化すれど…「経営」の課題
レベル4実現に向け課題も見えてきました。例えば支線から本線に合流する際、本線の上流側から来る車両の位置と速度のデータを早めに受け取ることができれば、より確実な合流も可能だとのこと。技術的にはトラックや乗用車と共通する点なので、道路管理者や各業界の協力が望まれます。
技術的な完成度が上る一方、事業者の経営サイドの課題も浮き彫りになりました。条件に恵まれた区間は自動運転が可能でも、営業所の出入庫など自動化が難しい箇所が残ります。
通常の業種なら、「スーパーマーケットがセルフレジを導入し店員を何人か減らす」というように、徐々に自動化を進め、進捗に応じ少しずつ要員を削減できます。しかしバスはもともと「1人」なので、「一部区間を自動運転化したから乗務員は0.8人」というわけにもいきません。いつかは「0人」になるとしても、相当先に思えます。逆にバス乗務員という立場から見れば、「AIに仕事を奪われるリスク」が意外にも小さいことになります。
名鉄バスは2024年に事業構想部を新設し、積極的に自動運転の実験に関わってきました。その意義は、自動化によって何を得られるか、それを探るという点にあるようです。
事業構想課長の大森厚志さんは、「遠隔監視による無乗務員走行や、需要変動に応じた“増結”が実現すれば、要員数の削減も可能になるでしょう」と将来像を描きます。その際には「車内に乗務員がいないことに対する乗客の不安解消や、共同運行先との調整が課題になる」としつつ、しかし、それは「たらればの話」と認めます。




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