次期ハイエースは「ワンボックスを捨てるのね」 コンセプトから見える“全方位に対応する”商用車戦略とは?

日本の物流を支えるトヨタ「ハイエース」と「タウンエース」。「ジャパンモビリティショー2025」でトヨタが多数出品した次世代商用車のコンセプトモデルから、これらの車種が将来どのような姿になるのか、予想していきます。

ボンネットバンは「マルチパスウェイ」にも有利?

 ここで、キャブオーバーバンとボンネットバン双方のメリット・デメリットを整理していきます。

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現行のトヨタ「ハイエース」(2017年モデル)。キャブオーバー型であり、スペース効率に優れる(画像:トヨタ)

 まず、キャブオーバーは現行のハイエースを見ても判る通り、全長に対して室内スペースを前後方向に長くとることができます。また、ドライバーはエンジンの上に座る配置となるため、運転席が高くて見晴らしが良いのもメリットです。

 一方、キャブオーバーバンは床下にエンジンを搭載するため、パワートレインを置くスペースが狭く、エンジンの寸法の分だけ、室内フロア面が高くなってしまうのがデメリットです。

 対するボンネットバンは、スペース効率の面ではキャブオーバーより不利な一方、エンジンルームが専用に作れるため、パワートレインの設計の自由度が高いのが特徴です。つまり、ガソリンエンジンからEV(電気自動車)まで、より多様な動力ユニットを搭載できるのです。

 トヨタは将来的なカーボンニュートラルの達成のため、電気自動車だけでなく、PHEV(プラグインハイブリッド車)や燃料電池車、水素エンジン車、さらにはカーボンフリー燃料など、さまざまな技術開発を進める「マルチパスウェイ」方針を標榜しています。この計画を推し進めるうえで、ハイエースやタウンエースをボンネットバン型へと移行するのは有利にはたらきます。

【商用車も統一する?】これが未来の「トヨタ商用車軍」です(写真で見る)

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