世界標準は「縦」なのに…なぜ日本の信号は「横」? 国内には“縦メイン地域”も! 理由が深かった
私たちが日常的に目にする「横型」の信号機。実はこれ、世界的に見ると少数派で、欧米などでは「縦型」が主流です。なぜ日本は横型を採用し、そして豪雪地帯だけは縦型なのでしょうか。
世界基準は「縦」 なぜ日本は「横」?
私たちが当たり前のように見ている信号機。圧倒的に多いのは、赤黄青の3灯が横一列に並んだ「横型」ですが、実はこのタイプ、日本や中国、台湾など一部のアジア諸国で主流の方式です。
世界を見渡すと、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなど、多くの国では「縦型」がスタンダードとなっています。なぜ、縦型の方が採用国が多いのでしょうか。
世界標準ともいえる縦型には、明確なメリットがあります。「道路標識及び信号に関する条約(ウィーン条約)」では、縦型の場合は赤信号を一番上に設置するよう規定されています(日本は条約を批准していません)。
「赤が上」というルールは、色弱者でも位置で識別しやすく、また道路の幅を取らないため設置しやすいという利点があります。
では、なぜ日本は少数派の「横型」を採用したのでしょうか。
日本初の信号機は1930年11月に東京・日比谷に設置されましたが、このときはアメリカ製の縦型でした。しかし、その翌月には京都の八坂神社前などに、現在の原型となる横型が設置されています。
京都で横型が採用された背景には、街路樹や看板が多く、縦型では上部の赤信号が見えにくかったため、横型にして道路中央に配置したという都市環境の事情があったようです。
日本で横型が主流となった最大の理由は、その気候風土、特に「台風」への耐性にあるとされています。信号機は警察庁の「交通規制基準」に基づき、設計風速60m/s(秒速60m)に耐えるよう規定されています。
横型は縦型に比べ、風を受ける面積(受圧面積)が水平方向に分散されるため、支柱にかかる負担が少なく、強風による破損や倒壊のリスクを軽減できるのです。
また、横型の場合、歩道橋や道路標識の下など、高さ制限がある場所に設置しやすい利点もありました。
しかし、日本国内においても「縦型」の信号機が主流の地域があります。





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