オワコン化しつつあった「戦闘ヘリ」一転、なぜ”大量導入”へ? 将来は「まるでガンダムの戦い方!?」進化の方向性とは
ポーランドがAH-64E「アパッチ」戦闘ヘリコプターの大量導入を決定しました。ウクライナ侵攻で戦闘ヘリの脆弱性が指摘されるなか、なぜ導入に踏み切ったのでしょうか。背景には、まるで「ガンダム」世界のような将来像がありました。
ガンダムの「ファンネル」が現実に? 日本の取り組みは
ところで、アニメ『機動戦士ガンダム』シリーズには、「ビット」「ファンネル」という名称の兵器が搭乗します。どちらも、モビルスーツに搭乗するパイロットが脳波でコントロールして、母機の遠方に存在する敵を攻撃する兵器として描かれます。
映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で、アムロ・レイが登場する「νガンダム」が装備している「フィン・ファンネル」は、遠方の敵を攻撃する兵器であると同時に、νガンダムの近くでビームバリアを展開して、νガンダムを敵の攻撃から守る、防御的兵器として設定されています。
日本が英伊とともに3国共同で行うGCAP計画で開発される新戦闘機や、アメリカが開発を進めている「F-47」などの、いわゆる第6世代戦闘機は、「CCA」(協調戦闘機)と呼ばれるUASとの協働能力が付与される見込みです。CCAはビットやファンネルと同様、母機から離れた場所まで展開して攻撃や偵察を行うUASになると思われますが、ヘリコプターと協働するUASはフィン・ファンネルのように、母機の近くに展開して、攻防両用の役割を果たすものになると思われます。
日本でも2025年10月に防衛装備庁が、スバルの開発した自律型UASをヘリコプターから操作する実験を行っています。前に述べたようにAH-64DやAH-1Sなどは漸次退役していくことになりますが、CH-47「チヌーク」やUH-60「ブラックホーク」などのヘリコプターは今後も自衛隊の重要な戦力ですから、その生存性を高めるためのUASの有効活用方法の研究開発は、今後も積極的に進めていくことが期待されます。
Writer: 竹内 修(軍事ジャーナリスト)
軍事ジャーナリスト。海外の防衛装備展示会やメーカーなどへの取材に基づいた記事を、軍事専門誌のほか一般誌でも執筆。著書は「最先端未来兵器完全ファイル」、「軍用ドローン年鑑」、「全161か国 これが世界の陸軍力だ!」など。





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