「エア暗渠」意外な構造 見えない川と交差する東京の環状道路

東京の大動脈のひとつ「山手通り」は多くの川を越えていきますが、なかには上部が覆われた「暗渠」もあり、川との交差が分かりにくくなっています。特に江戸時代の上水路との交差は、驚くべき構造になっているのです。

「橋」の名が付く交差点、でも川がない

 東京23区西部は、武蔵野台地がもたらす高低差により、多くの河川が西から東に流れ、東京湾に注いでいます。そのため、23区西部を南北に走る道路は、これらの川を橋で越えていくことになります。そうした道路の典型例が、都道317号(環状6号線)「山手通り」です。

Large 20260104 01

拡大画像

山手通り清水橋交差点。すぐ南側に暗渠の和泉川が流れる。交差点の巨大構造物も含め、橋の欄干風モニュメントが複数見られる(乗りものニュース編集部)

 山手通りの起点は品川区の「新東海橋」交差点で、終点は板橋区の「仲宿」交差点までとなっています。この山手通りが交差する主要河川と橋は南から、目黒区の「目黒橋」で「目黒川」、中野区の「長者橋」で「神田川」、新宿区の「中井富士見橋」で「妙正寺川」の順です。

 ただ、目黒川を渡る部分の内回り(南行き)本線は「菅刈陸橋」となって目黒橋のさらに上を通っているほか、妙正寺川は西武新宿線とともに長い橋でオーバーパスしているため、“川を渡る”という実感に乏しいかもしれません。

 そしてこの山手通りには、川との交差がさらにわかりにくくなっているところが複数あります。それは暗渠になった川、つまり上部が覆われて遊歩道などになっている川との交差です。

 たとえば渋谷区本町で山手通りが都道14号「方南通り」と交わる「清水橋」交差点は、交差点名に「橋」が付いているものの、周辺に川らしきものはありません。じつはこの南側には暗渠化された神田川の支流「和泉川」が流れており、その川を渡る橋が清水橋だったのです。

 その清水橋交差点から約1.3km北、中野区中央で都道433号「大久保通り」と交わる「宮下」交差点のすぐ近くでは、大久保通りと並行する「桃園川緑道」と交差します。この緑道は、その名が示すように、神田川の支流「桃園川」を暗渠化して作られた遊歩道です。

 なかには自然の川ではなく、人工の水路と交差するところもあります。

 かつての江戸は世界有数の規模の大都市で、増加する人口をまかなう清潔な水の供給は大きな課題でした。そのため幕府は、多摩川などを水源とする「六上水」を整備しました。その名残りの「玉川上水」「千川上水」と山手通りとが交わる部分が、いまも人知れず、しかし特徴的な形で残されているのです。なお正確には、平川をもとにたびたび付け替えが行われた前出の神田川も、ほぼ人工の川です。

【暗渠が"浮いてる”】これが山手通りの「エア暗渠」です!(地図/写真)

最新記事

コメント

記事ランキング

  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  3. “まるで高速”な無料バイパス「全線4車線化」へ変貌開始! 一部の上下線分離まもなく 対面通行を解消 国道8号
  4. 飛行中の「日の丸特別機」に粋なサプライズ! 天皇皇后両陛下を“最新ステルス戦闘機”がお出迎え
  5. 「危なすぎる!」阪神高速“中の人”がブチギレ!? “衝撃動画”とともに呼びかける「ドライバーが守るべき3つのこと」とは
  1. 家族が「SSSS航空券」を引き当ててしまった…! 乗る前から“異変” 保安検査員も「Oh…」 誰でも起こり得る“緊迫の一部始終”
  2. あと1年足らずで「現金でバス乗れなくなります」 全路線“完全キャッシュレス化”疑問に応えるサイト開設 京王バス
  3. ETCの手前で「ガシャン!」高速入口に吊るされた「黄色い鎖」の正体は? 傷つく覚悟で“あえてぶつける”超アナログな理由
  4. ロシア軍の爆撃機が「真っ逆さまに墜落」 地上に激突する瞬間を捉えた映像が公開 “巨大な黒煙”が立ち上る
  5. 「“再有料化”でいいから4車線化して」→普通車280円になって1年 利用者負担で勝ち取った“効果”あきらかに 八木山バイパス