「モジュール化」遅れのトヨタ、逆襲なるか 新パワートレイン発表から見えたそのシナリオ

トヨタがエンジンまわりのパワートレインについて「モジュール化」に踏み切りました。昨今、自動車業界でよく聞くこの「モジュール化」、実際にはどのようなものなのでしょう。また、トヨタがこれに立ち遅れた理由はなんだったのでしょうか。

強者ゆえの「弱み」と、強者ゆえ可能な「シナリオ」

 パワートレインのモジュール化を高らかに発表したトヨタですが、冷静になって考えてみれば、べつに目新しい話ではありません。プラットフォームのモジュール化でいえば、ようやく「プリウス」で始まり、第2段である「C-HR」がデビューしたばかり。先に説明したとおり、モジュール化はすでに世界のスタンダードになりつつあるほど自動車メーカー各社で採用されています。

 ただ、トヨタが遅れたのには、それなりの理由も考えられます。第一にトヨタは規模が大きすぎるのです。「カローラ」のように1車種で、何百万台も売れるクルマもあります。その場合は、やはり専用設計をした方がよいでしょう。

 また、トヨタは小型のFF車から大型のFR、ミニバンまで、非常に幅広い車種を販売しています。ラインナップ的に、ひとつのプラットフォームを複数車種へ展開しにくいという事情もあります。

 そしてなにより、実際にクルマが売れているというのも大きな理由でしょう。古いプラットフォームのままでも十分な競争力があれば、新しいモノは必要ありません。必要性に迫られなかったのも理由ではないでしょうか。

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初代「カローラ」(左)と11代目「カローラ」。1966(昭和41)年の初代発売以来、累計販売台数は4000万台以上(写真出典:トヨタ)。

 とはいえ、トヨタがボンヤリしていたわけではありません。しっかりとTNGAをスタートさせました。しかも、今回は生産設備の刷新もセットになっています。優れた生産現場もトヨタの昔からの強みです。そこを強化することは、ある意味、最もトヨタらしい部分かもしれません。

 また、開発体制の合理化によって生まれた余力は、ハイブリッドなどの電動化技術に振り分けるとの説明もありました。モジュール化で製品の性能を高めるだけでなく、生産面も開発の面でもブラッシュアップするというのが今回の発表です。遅れたぶんを挽回するだけでなく、先行者を追い抜こうという意欲もうかがうことができます。

 モジュール化に遅れはしたものの、この新エンジン投入をきっかけに逆襲、というのがトヨタのシナリオなのでしょう。

【了】

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